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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第11章 ミーヴ(後編)
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第29話 再会は刺激的

ダムでの泊まり込みや接待なんて想定されていないから、ダムの仮眠室はスタッフ用のものしかない。


侯爵が施設を利用し、運悪く溢れたダムのスタッフは、しぶしぶ野営をしていた。


もちろん、俺たちも野営だ。


当然と言えば当然か。


何せ、侯爵はもとより、ダム関係者は基本的に納品先のお客様だからね。


それを差し置いて、「仮眠室使わせろ!」とは言えない。


道中、侯爵家御用達のホテルに一緒に泊めて貰えたのは、間違いなく納品してもらいたいという思いからだったのだろう。


ともあれ、ここには宿泊施設が、無いんだから仕方ないよね。


おかげで、久しぶりに、4人だけの野営だ!


しかも、侯爵たちのいるダムから離れて設営することで、かなり気楽に過ごすことが出来た。


山でのキャンプは、やっぱり、こうじゃなくっちゃな~。



注水が順調なこともあって、緊張感が抜け、疲労感が睡魔を連れて押し寄せてきた。


「ごめん、先に寝るわ。あとは好きにやってね。」


「はい。」


テントに入ってゴロン。


気を失うように寝入ってしまった。



・・・



・・・・・



気が付いたら、いつもの白と黒の世界に立っていた。


あれ?


てっきり侯爵から報酬を受け取って、今後の侯爵との距離感を上手く構築しないと、来れないと思っていたのに・・・。


ん?


ってか、おじいさんと先生の姿が見えない。



「危ないかもしれんぞ。気を付けた方がいいかもしれんぞ。」


右の方から、おじいさんの声が聞こえたような気がして、顔を向けた。


少し離れたところで、フクロウを抱えながら、こちらを見ているおじいさんの姿が見えた。


「そんなところで何をして・・・」


ビターンッ!


音共に、俺の視界がブレると同時に、舌を噛み、残った衝撃で前に転びそうになった。


後頭部に何か当たったようだ。


ちょ・・・痛いし、クラクラするし、なんなん・・・。


振り返ると・・・


ビターンッ!


今度は顔面で受けて、そのまま尻餅をついてしまった。


な・・・なんだ?


当たった物を手に取って見ると・・・な・・・生肉?え?なんで生肉?


「気持ち悪っ!」


咄嗟に投げ捨てた。


「こっちのセリフだ―っ!!!!!」


顔を向けると、烈火のごとく顔を赤らめた先生が仁王立ちしていた。


は!


ゴブリンと野犬の・・・


「ふざけんじゃないわよっ!!!こんな気色悪いもの吸収して!!」


3つ目の生肉の固まりが飛んできた。


しかし、俺の顔を見て怒りに打ち震えて、力みまくっているせいか、コントロールを失っていて、幸いにも外れた。


「しかも、吸収したまま放置しやがってっ!!何、考えてんのよーっ!」


4つ目も飛んできた。


こ、怖すぎる・・・。


生肉を投げ散らかしてくる激昂した女性なんて初めてだ。


どうしたらいいんだ?


こんな説教を受けた事が無いから対応が思い付かない。



「ごめんなさい。私に落ち度があります。先生は何も悪くないです。とりあえず、生肉を投げないでください。」


なんなんだよ、このお願いは。


言ってて情けなくなってくるわ。


「フーッ、フーッ・・・」


全然、怒りが収まらんやん。


「でも、ほら、生き物は吸収して無いじゃないですか。」


「生き物の一部ならいいと思ってんの!」


「あ、いや・・・ちょ・・・待って。」


「そうじゃ、そのままじゃ、話にもならんぞ。ちょっと落ち着け!」


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