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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第11章 ミーヴ(後編)
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第27話 肝心な注水準備

くっ・・・。


使いようが無い場所だったから、ダムにしたんじゃない!


ダムを作って都合がいい場所を選んで、ダムにしてるんだ!


こういうことになるのは、無理もない事なんだ・・・


この場に立ってから、前世で楽しく登山してたことまで思い出すなんて。



「ちょっと、ぐるっと回ってきていいですか?」


「ダメだ!早く取り掛かれ!」


「だから!取り掛かるための状況確認ですよ。俺は今日、ここに初めて来たんですよ!」


上からくる侯爵・・・ってか、取引先に、腹が立って、強く出てしまった。


ホント、転生後でよかった。


転生前に働いていた会社の営業方針は、「お客様は絶対神!」だったから、自分を出す事なんてさせて貰えなかった。


そんなことしたら、上司のパワハラの火に油を注ぐ事になるからだ。



でも、ここでは出来る、否、出来た!


完全に蓋をされていたあの頃から、変われたことに気が付けて、ちょっと良かった。


まぁ、自分を出すのはほどほどにした方がいいと思うけど。



グラーシュにお願いして、一緒に散歩して貰った。


侯爵の目も有って、お願いしたときには気まずそうだったけど、振り切って付いてきてくれた。


グラーシュの御陰もあって、しっかり、景色を脳裏に焼き付けることが出来た。


「グラーシュ、ありがとうね。」


笑顔で返してくれたおかげで、いい思い出になった。


良し、戻ろう。


・・・


侯爵たちの居る地点に戻った。


「できそうか?」


先に口を開いた侯爵からは、譲歩の姿勢が見えた。


どうせ、直前に見せたゴブリンとの闘いで、驚いてしまった自分に腹を立てて・・・。


何とか俺を尻に敷こうとして強く出たら、噛みつかれてしまい、考え直して方針転換をした・・・


ってところかな。



力で何とかしようとするから、自分が力に屈することになるんだよ。


侯爵・・・分かってないなぁ・・・。


じゃなくて、分かっていても、変われないでいるのかな。


俺が散策に行くのを無理に止めることもできただろうけど、そこを抑えて、心の準備の時間をくれた侯爵にも感謝・・・しとくか。




「お待たせしました。取り掛かりますね。」


ローブの下から革袋を取り出した。


侯爵らは革袋をチェックする様子を見せなかった。


直前のゴブリン殲滅戦の余韻が、躊躇させたのかもしれない。


まぁ、その隙を与えるつもりもないけどね。


しわの無いように広げ、袋の口をダムの下流に向けて、配置した。


さて、内側を光の粒子でコーティングして、強化も完了・・・


いざ、放水開始!


ゴォォォォォォ!


物凄い音と共に放水が始まった。


袋が破ける様子も無いし、放水は順調だ。


良し!


放水止め!



「ルラン!なぜ止めた?」


侯爵が怪訝そうな顔で問うてきた。


「ここはダムの最深部だから、10枚設置します。放水音で話が出来なくなると思うので、放水が出来そうなのを確認した上で、一度止めました。」


「そ・・・そううか。」


「10枚設置して放水を始めたら、すぐに移動を開始します。以後は俺に付いてきてください。」


「分かった。その前に・・・」


そう言うと侯爵は放水された場所を指差して、管理人に指示を出した。


管理人は、水に近づき、指に付け、ペロッと嘗めた。


続けて試験紙を取り出してチェックを始めた。


そういえば、納品前にサンプルの提供してませんでしたね。


ゲート内の闇の空間で行わる蒸留作業を全幅の信頼を寄せて、一切の疑いを持っていないのは、俺だけで・・・


むしろ他の人は、属性も能力も“空”の俺に対し、疑いしか持っていないことを、すっかり忘れていた。


お手数おかけしました。



予定していた試験が済み、侯爵の下に走り、報告が済んだ。


「良し、ルラン、やってくれ。」


「それでは、本格的に始めますね。さっきの下見で配置する場所を見当付けていますので、どんどん行きますよ~。」



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