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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第11章 ミーヴ(後編)
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第22話 招かれざる招待客

「お邪魔しまーす!」


俺は空気も読まずに、侯爵の馬車に突撃した。


「―――!?」


ミーヴ侯爵は、目を見開いて言葉にならない声をあげた。


「今日は、一緒に移動しようかなって思いまして・・・ダメですか?」


「あ・・・うん。」


ミーヴ侯爵は不意打ちに弱いようだな。


みんな弱いか。


「グラーシュもいいですよね?」


「い、良いぞ。」


「ありがとうございまーすっ。」


馬車から頭を出してグラーシュを呼んだ。


ストークに睨まれたような気がしたが気のせいだろう。


“今日はちょっと勘弁してね。”


ストークに向けて手を合わせた。


「ルラン、お前、何やってるんだ?まさか、馬に?」


侯爵に見られて、不思議がられた。


「うちらにはうちらの・・・まぁ、色々あるんですよ。」


あんたも1回ストークに乗ってみれば・・・。


あー、いや、ストーク・・・侯爵はすんなり乗せそうだな。


ミーヴ侯爵は、グラーシュとは違うタイプの美人だもんな。


ストークにM気があれば、バチピタで、嵌まりまくるかもしれないし・・・。



馬車に乗り込んで移動が始まったが、侯爵は黙っていた。


ちょっと、執事さん、侯爵は俺に興味があるんじゃなかったんですか?


まぁいいや。


物事にはタイミングと流れってものがあるからね。


グラーシュはというと、なんか一人遊びしてる。


違うか・・・


イメージトレーニングかな。


たまに、ウォーターニードルが不意に発動してしまったようで、ビックリしている姿は可愛い。


無詠唱で、ほぼゼロコストで使えるようになったから、ちょっとイメージしただけで出ちゃうのかな?


魔法の事が全然わからんから、考えても仕方ないし。


俺にできることは、グラーシュと一緒になって侯爵に謝る事だけだった。


侯爵は、気さくに許してくれた。


マナで作られている水だから、効果が切れると濡れてしまったインテリアも元に戻るからか、単に愉快だからか。


侯爵とはろくに話をしていないが、不定期で暴発するグラーシュのおかげで、それなりに楽しく移動が出来た。




予定通り移動ができて、今日も侯爵家御用達のホテルに到着した。


馬車から降りて、ストークとエラムの様子を見ると、2頭に異常は無かった。


しかし、ストークは侯爵の護衛の騎馬隊が代わる代わる、騙し騙し乗馬して何とかしたようで、騎馬隊の心労が異常だった。


明日は、グラーシュじゃないと暴れ出すかもしれないな・・・。


侯爵は馬車から降りて、騎馬隊の異常な心労を見て、興味津々に、グラーシュとの再会に喜ぶストークに近づいて行った。


予想通り、ストークの機嫌は良くなった。



これって、嫌われてるの・・・俺だけか?


シンプルに凹むわ。


俺もアルディのように、ストークと取っ組み合いしようかな・・・。


無理だな、馬との取っ組み合いの方法なんて知らないし、あんな巨馬に勝てる気がしないわ。



「侯爵、明日は、ストークで移動しますか?」


「え?」


俺の突然の提案に、侯爵は驚きを隠せないようだ。


慌てて執事やら付き人やらの顔を見て、落ち着きを取り戻した。


「良いか?」


ははは、興味が先行したか。


「ストークも満更ではなさそうなので、是非。」


うちの暴れん坊で気分転換をしてください。


ってか、暴れ馬への乗馬で、上手に邪気だけ振り払ってください。


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