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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第11章 ミーヴ(後編)
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第10話 思い付きの代償

海中で、大玉スイカくらいの闇の粒子球を作った。


それを、光の粒子で作った目の細かいネットで覆った。


よし!


これで生き物を避けて水だけ吸収できるだろ。


吸収後の蒸留で、犠牲になる命を出来るだけ減らすことができるはずだ。


網の目が細かすぎて、光の粒子の球に見えるが、機能するのかが不安だけど・・・。


とりあえず、海の底に向けて投げ込んだ。


ぐんぐんと水を吸収し、俺の中にストックされていくのが分かった。


いいね。


1つ作っては放り込んで、海面の様子を確認・・・それをひたすら繰り返した。



海面の影響にばかり集中していたせいで、幾つ放り込んだか分からなくなってしまった。


ただ、100や200じゃない・・・はず。


海面への影響が目に見えるほどにならないように注意しつつ、出来るだけ多く放り込んだ。


体が少し引っ張られ続けるような感じがしてきた。


この辺にして戻るか。


後は、納品先の新設ダム?に移動して、その場で集まっている蒸留水を開放すれば完了だ。



砂浜に戻ると、人影が倍増していた。


あれ?


連れてきた騎馬隊は、小隊だったよね?


俺は気が付かなかったけど、遅れてついてきた後続の騎馬小隊があったのか?


しかも、退屈してたのか、静かに待っていられずに、じゃれ合ってるやん。


侯爵お抱えの騎馬隊は、血の気の多い方々ばかりなのかな?


・・・


いや・・・


違う!


よく見ると、ほとんどが海小坊主で、戦闘中だ!


嫌な予感がして振り返ると、巨大な黒い人影・・・


海坊主が立っていた。


振り上げられた右手・・・。


「ちょ・・・ちょっと待った!まだ俺、用意済んでないから!」


慌てて侯爵の下へ駆けた。



侯爵は、自慢の付き人に守られていて、平静そのものだった。


「海坊主、出ましたけど、どうします?」


「やれっ!」


「え?」


「殺れーっ!!」


は?


なんなんだよ、マジで。


呼べって言ってみたり、殺れって言ってみたり・・・。


踵を返して、ダガーを手に取り、海坊主へ向かった。


「先日はどうもお世話になりました。もう十分満足していますので、この辺で勘弁してください!」


ただただ切り伏せるってのもちょっと違うような気がして、ふざけた挨拶をしてしまった。


その間に、前回の戦い方を思い出した・・・。


単にひたすら乱切りしただけか。


「御免!」


飛びかかって、切り下ろし!


着地して、逆風!


からの、袈裟切り!左切り上げ!


即座に構え直して、逆袈裟!右切り上げ!


最後に、胴!逆胴!


横に回っての、切り下ろし!・・・


前回同様に、とにかく切り刻んだ。


切断された部位が落ち、海面から出ている部分が無くなったところで、ダガーを納めて、状況を確認した。


辺りは随分静かになっていた。


グラーシュ、アルディ、エレナは無事だったが、侯爵側の被害は甚大のようだ。


護衛隊は半数以下になっているように見えた。


おいおい、思い付きでやっていい事じゃなかったんじゃないの?


「整列!」


侯爵の付き人が叫ぶと、騎馬隊が侯爵の前に整列した。


と思ったら、末席にグラーシュが居た。


え?


俺らも?


つい慌ててグラーシュの後ろに並んでしまった。


俺もグラーシュのことは言えないな。


まだまだ周りの雰囲気に従ってしまう感じは前世のままだ。


俺の自己反省を尻目に、状況確認が始まった。


やはり、騎馬隊は半数以下になっていた。


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