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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第11章 ミーヴ(後編)
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第8話 馬車の中でもヘビが出る

「ルラン様、おはようございます。」


目を開けると既に準備万端のグラーシュが居た。


「おはようございまーす。・・・え?もう出発?」


「いえ、出発まで1時間有ります。」


良かった~。


昨晩、執事に、あんだけ啖呵切っておいて、俺が寝過ごしたなんて洒落にならんからな。


まぁ、グラーシュが起こしてくれるから俺は大丈夫って甘えもあったけど・・・それはそれとして。


「準備早いね。」


「その・・・よく寝れなくて・・・。」


「ん?なんか気になる事があるとか?」


「はい。200億Yって、昨日受け取った金額の5倍ですよね。なんか興奮しちゃって。」


おいおい、全額貰うつもりでいるの?


200Mtってどのくらいの量か想像できていないんだろうな~。


まぁ、俺だって正確に想像できている訳じゃないけど。


200Mt納品して200億Y満額受け取りは、無理じゃないかな。


侯爵だってそこまでは考えていないだろう。


立場上、ハッタリも込めて、水量確保に割り当てた予算総額が200億Yって意味だろうし。


「まぁ、やれるだけやろう。」


「はい!」



・・・



・・・・・



準備を済ませて、集合場所の西の城門にて侯爵一行を待った。


時間通り、侯爵、付き人2名、執事が来た。


「おはようございます。」


「こんなに早くに出発だなんて・・・なんだか興奮してきたわ。」


おい、侯爵、挨拶には挨拶を返せよ。


これだから偉い人は嫌いよ。


それに、この状況で興奮してくるなんて・・・妄想と期待が膨らみに膨らみ切ってるのか?


心配になるわ。



程無く、馬車2台と、護衛の騎馬隊が到着した。


侯爵の指示で、俺とグラーシュは侯爵と執事と一緒の馬車に乗り込んだ。


移動くらい好きにさせてくれよ~。


走り出した馬車の中で侯爵とグラーシュが話を始めた。


仕事以外の話だったから、俺はボーっと外の景色を楽しんでいた。



・・・



「それで・・・、最近はどんな討伐をしたの?」


「ギルドで受けた仕事としての討伐ではありませんが、先日、海坊主を退治しました。」


ガタッ!


グラーシュの発言に、突然侯爵が立ち上がった。


「海坊主って、突然夜現れる海の災厄よね!退治したの!」


「は、はい・・・。」


「詳しく説明しなさい。」


「詳しくと言われましても・・・」


視線を感じてグラーシュを見ると、困った顔でこちらを見ていた。


はぁ。


藪をつついて蛇を出したな・・・。


仕方ない。


「私らが、朝方散歩がてら砂浜に出て、魔法やスキルを試していたら、突然現れたんですよ、真っ黒な巨人と、同じように真っ黒な人間の様なものが、わらわらと。」


「それで?」


「で、みんなで協力して倒しました。」


「ちょっと・・・」


「なんでしょう。」


「それで説明したつもり?」


「そうですけど。」


「海坊主は、夜の闇の中から現れて、人や船などを襲うのよ。あなたたちは朝方って・・・どういうこと?」



「ん-、試していた魔法か、スキルでたまたま周囲が暗くなっていたんですよ。それで出てきたんじゃないですか?」


「説明になってないわ!そんなふざけた説明で納得すると思ってるのかしら!」


「ちょっと、怒らないで下さいよ。私たちも待ち構えていて襲われたんじゃなくて、急に襲われたんだから、そんな詳細に説明なんてできないです。」


「それもそうね。・・・そうだ、良いこと思い付いた!」


そう言う侯爵の顔は怪しい笑みを浮かべていた。


思い付いたのは、絶対に悪い事だろ!


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