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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第11章 ミーヴ(後編)
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第3話 代金受け取り

通されたのは、家具の無い空き部屋だった。


部屋の中央には、祭壇の様なテーブルがあり、その上に布に覆われたものがあった。


隠れているのは・・・ミカン箱くらいのサイズか。


「これが今回の報酬よ。」


ミーヴ侯爵が豪快に布を取り去った。


姿を現したのは、金貨だった。



「40億Yを全て、ミーヴ領金貨で用意したわ。400,000Gよ。受け取りなさい。」


「おぉぉぉ!!」


ついつい歓声をあげてしまった。



俺は、会社員になってからの経験で、偉そうにしている奴と、現場を知らない“偉い奴”が本当に嫌いになった。


だから、応接室にミーヴ侯爵が入ってきたとき、好きになれそうにないなって思った。


でも、本当にすごい事をする人まで嫌いって訳じゃない。


これだけの金貨をこの短期間に用意したんだから、偉そうにされても文句は言えないな。


もしかして、既に貯蓄されていた金貨なのかもしれない。


だとしても、これだけ蓄財しているのもすごい。



・・・


いけね。


感心している場合じゃない。


きちんと受け取らねば。


「グラーシュ様、私が管理でよろしいでしょうか。」


周りの目に配慮して、グラーシュに伝えた。


「えぇ。」


ナイス!


グラーシュも、空気を読んで、いつもと雰囲気を変えて返事をしてくれた。


「それでは、有難く頂戴いたします。」



積み上げられた金貨に近づき、一枚金貨を手に取った。


ミーヴ侯爵の胸元に輝くブローチの中央に装飾されている紋章と同じ模様が刻まれてた。


ミーヴ侯爵領金貨に間違いなさそうだ。


右手でローブを開け、腰に下げていた革袋をゆっくり取り出して、金貨を掴んで革袋に入れていった。


「ほぅ・・・。」


ミーヴ侯爵が、感嘆を込めて、呟いたのが聞こえた。


・・・


・・・・・


全ての金貨が革袋の内側に展開させたゲートを通じて俺の中にストックされた。


約束通り、40億Y分の400,000Gだ。


「グラーシュ様、無事400,000G、受け取りました。」


「分かりました。」


すると、執事がグラーシュに近づき、書類を出した。


「こちらに受取のサインを。」


「はい。」


・・・


サインが済むと、執事が書類を持ってミーヴ侯爵の下へ行き、書類が確認された。


「代金の引き渡しは、以上だ。」


そう言うと、ミーヴ侯爵は付き人を連れて、さっさと部屋を出て行った。


よし、これで終わりだ。


無事に代金も受け取れたし、こんな堅っ苦しい空気、もう嫌だ。


早々に、おさらばしよう!



そう思って部屋の出口を見ると、執事が立っている。


「続いて、侯爵とのお食事の用意が整っていますので、ご案内いたします。」


え?


まだ続くの?


勘弁してよ~。


飯に付き合えとかさー。


こんなん、前世の営業所内接待と変わらんじゃん。


単身赴任の上司が、独りで夕飯喰うの嫌だからって夜の9時くらいに、こってりした飯に付き合わされるやつ・・・。


しかも割り勘で・・・。


安い給料なのに、なんでそんな外食に付き合わなきゃいけないんだよ。


俺は仕事を負えたらサクッと帰って、自宅で1人で落ち着いて飯を食いたいのに・・・。



はぁ、嫌なこと思い出しちゃったわ・・・


なんで、転生してまでやんなきゃいけないんだよー。


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