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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第11章 ミーヴ(後編)
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第2話 侯爵登場

「じゃあ、入りますか。」


衛兵に促されるままに、城門から中に入った。


目の前に広がっていたのは石畳の通路と、石造りの建物・・・


夜に入城してしまったために、冷たい印象を受けた。


「グラーシュ様、お待ちしてました。」


声の聞こえる方を見ると、1人の執事がいた。


「代金の引き渡し場所までご案内いたします。さぁ、こちらへどうぞ。」


グラーシュがこちらを見た。


とりあえず付いていくのが穏便かなと思い、頷いて見せた。


「はい。」


グラーシュは執事に向き直して返事をした。



執事の後を追って歩くこと15分、守衛所のあるデカい建屋に到着した。


現金を管理している場所なら、入り口に守衛所が設置されているのも当然か。


執事が守衛所に立ち寄って手続きを済ませてくれたおかげで、俺たちは顔パスで中に入れた。


中に居た責任者らしき男が執事に気付き、駆け寄ってきた。


「例の代金引き渡しです。」


「かしこまりました。こちらへどうぞ。」


執事の一言で、責任者の案内が始まった。


着いた先は、応接室だった。


流石に金庫の前で受け渡しってことは無いか。



「少々お待ちください。」


そう言うと、執事が退出していった。


俺たちは、案内してくれた責任者と部屋で待つことになった。



・・・


・・・・・



少々って言ったのに、ずいぶん待たせてくれるなぁ。


もう30分以上は待っているぞ。


「あの~。」


「どうなさいました?」


案内人に話しかけると、応じてくれた。


「入城の際に、1時間で退出するように言われたのですが・・・」


「その点については、大丈夫ですから、ご安心ください。もう少々お待ちください。」


いや、ご安心できないから聞いてるんです。


説明してくれなきゃ大丈夫かどうか俺にはわからんじゃん。


しかし、裏が無さそうな笑顔に、押し切られ、聞くに聞けなくなってしまった。



・・・


・・・・・



もうアウトだ。


絶対に入城から1時間は経過している。


本当に大丈夫なのだろうか。



心配になってきたところで、部屋のドアが開いた。


女性が、2人の男性を引き連れて入って来た。


先ほどの執事は、3人に続いて入室し、ドアを閉めた。


女性は席に着くも、2人は後ろに立っている。


妙に仰々しいな。


グラーシュと異なり、体のラインは全く分からない豪勢な服装だ。


それでいて品が良い。


雰囲気は淑女だが、顔はしわが一つもない。


美容にカネを掛けているんだろうな~。


で、誰?この女性・・・。



「初めまして、グラーシュ・カラー殿。私が、アマリア・ミーヴだ。よろしく。」


え・・・。


ミーヴ侯爵って女なの・・・。


「お目にかかれて、光栄です。ミーヴ侯爵。」


「色々と御話したいことがあるのだけど、まずは代金の支払いね。」


「はい。」


グラーシュがこちらに手を出した。


そうだった!


慌てて胸ポケットに手を・・・。


すかさず、ミーヴ侯爵の付き人が構えた。


あぶね!


「すいません。ちょっと待ってください。」


左手でローブ左側を開き、何もないことを示した。


ミーヴ侯爵が視線を送ると、付き人は構えを解いた。



ヤバい、変な空気になっちゃったよ・・・。


ここには俺らしかいないんだし、待っている間に、テーブルに出しておけばよかった。



ゆっくりと、右手で胸ポケットに手を入れて、受領証を出し、グラーシュに渡した。


「こちらが、納品時に受け取った受領証になります。」


グラーシュがミーヴ侯爵に差し出すと、中身を確認し、執事に視線を送った。


執事が部屋を出た。



空気が重い。


俺が悪いんだけどさ。



少し経つと、執事が入室してきた。


「用意が出来ました。」


その一言でミーヴ侯爵が立ち上がった。


「ついて参れ。」


「はい。」


侯爵の言葉にグラーシュが返事をして、部屋を出るミーヴ侯爵の後を追った。


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