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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第10章 ミーヴ(前編)
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第39話 透明人間へ

グラーシュとエレナを連れて、昨日奇襲を受けた砂浜に到着した。


周囲を注意深く見て回ったが、海坊主と海小坊主の痕跡は何もなかった。


海坊主たちが普通の生物だとしたら、死体に生物が群がるなどして、何かしらの痕跡が残るはずなのに・・・。


やはり、純粋な生き物ではないってことなのか・・・。


この辺は俺に知識が無いから、これ以上考えても分からないから、保留するしかない。


懸案事項が残っていくのは気に入らないけど、仕方ない。



それはそれとして、次だ。


エレナの重召喚を試さなければ。


「エレナ、重召喚してもいい?」


「はい。」


自分の中にストックされている闇の粒子から、エレナに用いた分と同量を利用して、重召喚をイメージした。


次の瞬間、エレナが真っ黒な球に包まれて、徐々にエレナが姿を見せた。


何もない所に、召喚された者が姿を現す“通常の召喚”の方が、ある種の感動を覚えるけど。


重召喚は、既に居る者が粒子に包まれて姿を現すだけで、あまりにも呆気無くて、なんとも拍子抜けなんだよな~。


でも、エレナの闇の粒子の量を探ると、間違いなく2倍になっている。


成功だ。


これで、【黒き理】☆11だ。


グラーシュを見ると、首をかしげて、ボーっと見ているだけだ。


エレナの変化が分かるのは俺だけ?


この変化は、グラーシュの持つ属性では検知できない・・・関係無い・・・って事なのか?


ん-。


この点も知識不足で、これ以上は考察できない。


考えても答えが出ない物を考えても時間の無駄だ。


次!


今朝のクライマックス、“光学迷彩”だ。


「グラーシュ、ちょっといい?」


「はい」


「エレナもお願いね。」


「分かりました。」


「グラーシュは、あの辺、エレナは・・・、あの辺に立って、俺を見てて」


2人が俺の指定した場所に立ってくれた。


その間に俺が立って、光学迷彩をイメージした。


「あっ!」


グラーシュが声を上げた。


「どうした?」


「え?ルラン様、どこ?」


「ん、動いてないよ。どうなった?」


「あれ?ルラン様の声・・・エレナしか見えないです。」


「俺が居た場所の砂を見て!」


「はい」


俺はあえて砂を跳ね上げるように、周囲を歩いて見せた。


「どう?」


「え?どうなってるんですか?」


「エレナ~」


「はい、ルラン様の姿は見えません。」


良し。


視界用粒子を眼の上に置いて映像を脳裏に送るのも完璧だ。


「グラーシュ、俺はここに居るから、鑑定眼で見て!」


念のため、もう一度俺の居場所が分かるように、砂を蹴ってみた。


「はい。」


位置を確認したグラーシュが鑑定眼を使い始めた。


・・・


「本当にそこに居ますか?」


「いるよ。ほらっ」


そう言って足元の砂を足でかき寄せたり蹴り上げたりした。


「うーん、何も見えません・・・。ルラン様・・・どこに・・・。」


グラーシュのしょげている姿を見ていられなくなって、光学迷彩を解いた。


「大丈夫だって、ここに居るから。」


俺を見つけたグラーシュは、落ち着きを取り戻した様子だった。


「もう一回試すね。」


「はい。」


光学迷彩を張ったうえで、視界確保用の光の粒子を散布!


う・・・


これは・・・酔うな。


酷い映像酔いに襲われた。


本来の目の位置で身の回りを把握するのと、かなり違うから、感覚が付いていけてない。


しかも、複数始点の映像が頭の中で3Dホロのように浮かんでくる。


これは、これで非常に優れた能力だ。


使いこなせるならば、圧倒的にこちらの方が良い。


「こっちのパターンは、訓練が必要だな。」


「グラーシュ、エレナ、俺の姿は?」


「全く見えません。鑑定眼でも視認できません。」


「私も同じく。見えていません。」


「ありがとう。」


返事と同時に光学迷彩を解いた。



やたら光学迷彩を張って光の粒子を散布すると、訓練と言えどグラーシュが心配しそうだからやめよう。


ミーヴ侯爵城までの道中で、出来る限り目を瞑って光の粒子を自分の身の回りに散布して、自分の動きと周囲を同時に見ながら行動する練習をしよう。


何の因果か、道中はグラーシュの修行の時間ってだけじゃなくて、俺の修行の時間にもなってしまったわけだ。


まぁ、アルディとエレナに周囲の警戒と先導を任せれば、何とかなりそうだからイイんだけどさ。


でも、その前に・・・。


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