第36話 あの召喚は何?
「今夜はノーダウンで、温泉も料理も愉しめた様じゃな。」
「良かったわね。」
「お陰様で、何とか。」
流石に、一度経験していれば、心構えもできるし、少なからず対処も出来るってもんよ。
「で、先生・・・」
「黒き理☆11ね」
だからぁ、早いんだよなぁ。
久しぶりの認定だってのにさ。
もうちょっと余韻というか・・・楽しもうよ。
「何よ。」
「いえ、ありがとうございます。」
「儂も!」
「え?」
「【白き理】☆11じゃ。」
「いいんですか?個人的には納得できなかった乗り物でしたけど。」
「作れたことには変わりはない!」
そう言ってもらえると、色々を試した挙句に凹んだ俺としては、救われるけど・・・。
・・・
「実は、おじいさんから教えてもらいたい事があるんですよ。」
「緊急事態で、アルディを召喚し直したんですが、なんか様子が違くて、召喚後のアルディの光の粒子密度が倍?になってるし。」
「あぁ、“重召喚”じゃな。・・・おめでとう!【白き理】☆12!!」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
「なんじゃ、嫌か?」
「嫌じゃないです。☆12はありがたいですけど、“重召喚”ってなんですか?」
「読んで字の如しじゃな。お前さんの感じた光の粒子密度が倍ってのも、正しく把握してるぞ。」
「そうなんですか。」
「強さは、ん-、まぁ、密度に比例して単純に倍って訳ではないけど、まぁ、強くなってるから安心せい。」
「最初の召喚から重召喚できたりします?」
「それは無理じゃな。」
「重召喚は、重ねじゃからな。」
「もし、アルディがやられて消えちゃって、もう一度召喚したら?」
「それは、再召喚であって、重召喚ではない。」
「重召喚のアルディがやられて、消えちゃってからの再召喚は?重召喚状態ですか?」
「通常召喚からじゃな。」
「通常召喚した直後に、重召喚できます?」
「できるぞ。でも、お前さんは、召喚した者の強さも分からない段階で、重召喚するつもりなのか?」
「ん-・・・。」
「光の粒子も闇の粒子も、マナと違うんじゃから。」
「マナと?」
「そうじゃ。シンプルに言えば、マナは、生きてるだけで回復したり、周囲に存在して安易に用いることができる。」
「確かに、光の粒子と闇の粒子は、回収した分しか使えませんもんね。」
「・・・。それに、お前さんは、重召喚したアルディがどのくらい強くなったか把握しているんか?」
「いえ・・・。」
「もう、多分、よっぽどの事が無い限り、殺しても死なんのじゃないか。」
「マジっすか・・・」
「大マジじゃ。そのよっぽどのことに遭遇したら・・・まぁ、そんなことは無いじゃないかな~。」
「そんなことより、ちょっと、あなた、エレナは重召喚しないつもり?」
「いや、そんなこと無いですよ。出来るんですか?」
「できるに決まってるでしょ!起きたら真っ先にやりなさい!」
「は・・・はい。注意事項は?」
「特に無いわ。あなた、砂の採取で、バカみたいに闇の粒子のストック増やしたから、重召喚し倒せるわよ。」
「バカ者―!自分の使う力に使われないように、ちゃんと段階を踏んで・・・」
「冗談よ、クソジジイ!」
「ちょ・・・ちょっと、待ってください!とりあえず、朝起きたら、エレナを1回だけ重召喚してみます。それでいいですよね?」
「うむ。」
「良いわよ。」
「はい、次いきますね。おじいさんから、もう1つ教えてもらいたいことがあります。」
「おぉ!何じゃ?」




