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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第10章 ミーヴ(前編)
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第35話 海坊主の正体

なんだったんだ?


ゴブリンやオーガと戦った時の様な手ごたえが無かった。


実体が無かった?


霊体とかだったのか?


参ったな、こんな存在まで居るなんて思いもよらなんだ。


「今更だけど、グラーシュ、海坊主の昔話聞かせて。」


「ごめんなさい。私もよく知らないんです。西の海で、暗い時に出て来て、船や桟橋など破壊したり、人を襲い殺してしまう。黒い巨人が1体と、人と同じサイズが複数体現れる・・・くらいしか。」


暗い時・・・。


光の粒子を集めていて暗くしちゃったから、誘われて出てきたのか。


ってことは、俺のせいか・・・。


それは置いといて・・・。


「海坊主って、生き物なの?頭を打ち抜いたのに動いていたよね。」


「そうだと思うんですけど・・・。」


「それに、切った時の感触がなんか変だったんだよな~。」


「そうですね。海小坊主も戦っていて、ゴブリンやオーガとは感触が違うなって。」


「ちなみに、その昔話って、どのくらい前からあるのか分かる?」


「え、昔話だから、昔からじゃないですか?」


純粋なグラーシュが、たまらんな。


「昔話って言う設定で、最近作ったおとぎ話もあると思うんだよね。」


「あ・・・そうですね。でも、海坊主の昔話は、本当に昔からあると思います。」


ん-。


ヘッドショットで止まらないことや、切り応えからして、普通の生き物じゃないと思うんだよな~。


海坊主が生き物じゃなくて霊体だとしたら、特定の条件で霊体が姿を現して干渉してくるってことか?


ってか、霊体の存在が干渉してくるってなんだよ。


この世界は、まだまだ分からない事だらけだな。



今更ながら海小坊主の方を1匹吸収しておけば良かったかもって思いが過った。


先生に“気持ち悪いもの入れないでよ!”って言われそうだったから、やめちゃったんだけど。


ってか、結果論は嫌いだから、この辺にしておいて・・・。



人・動物に加えて、悔しい敗走を経験したゴブリンなどの妖精という存在まで居ることは、旅の前提にしていたけど・・・。


それだけじゃなさそうだな。


この世はもっと多種多様な気がしてきた。


今回の海坊主が、妖怪なのか霊体なのか何だか分からないけど、この世界のモンスター?生き物?について、調べる必要がありそうだな。


つい、“自分の身を守る手段”にばかり注意がいって、“何から身を守るのか”を疎かにしていたことがよく分かった。



ともあれ、退治できて、一件落着だ。


「グラーシュ、ごめんね、追い込みすぎちゃったね。」


「いえ・・・。」


流石にバテバテの様子だ。


「今日はこれで終わりにて、あとはオフにしよう。」


「はい。」



・・・



「おかえりなさーい。大丈夫でしたか?」


旅館の玄関に入るなり、女将が心配そうに訊いてきた。


「え?」


「なんだか、今日は暗くなったかと思ったら、ずっと暗いままで、怖くて仕方ありませんでしたけど・・・」


「ははは、突然トラブルに巻き込まれて、大変でした。」


エレナから、旅館が襲われたという思念が飛んできていなかったから、大丈夫だと思っていたけど。


女将にしてみれば、不安な1日だったわな。


配慮不足・・・ってか、またマヌケを発動してしまったようだ。


「ごめんなさい。」


「お客さんが謝る事じゃないですよぉ。こんなところで、すいませんけど、お茶でもどうぞ。」


気を遣ってくれた女将がお茶を出してくれた。


旅館入口にあるロビーで、お茶を一口。



・・・


あ!


忘れてた。


吸収した素材で復元っての、試してないじゃん。


女将に背を向けて、左手で茶碗の縁を1cmほど吸収した。


一呼吸入れて、左手に闇の粒子を展開して、切り口を覆って復元を念じた。


手を退かすと元に戻っていた。


もう一回。


同様に、左手で茶碗の縁を吸収して・・・。


今度は、覆うこと無く復元を念じてみた。


瞬時に元通りになった。


良し!


いい感じ!


そうだ!


くよくよしてても仕方ない。


せっかく旅館の貸切2泊目なんだから、美味しい夕飯も、温泉も存分に楽しまないと勿体ない!



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