第29話 次のスキルは日常で使えるアレ
「がははははははーっ!!!スリーダウンで、ノックアウトじゃ!!!
「本当に、アホね・・・救いようがないわ。」
「今回ばかりは、腹筋崩壊じゃ。ヒーっ、ヒーっ、もうだめじゃ、完全にツボじゃ。マジで傑作じゃ。」
「面目ないです。」
「ぷっ、ぷはははは、ちょっと、すまんが、今夜はお前さんの顔をまともに見れんかもしれん。」
「良いですよ。こればっかりはどうしようもないですから。」
「珍道中過ぎよ。」
「ごめんなさい。」
「ジジイもその辺にしときなさい!」
「は~あ、すまんすまん。ひっさしぶりにこんなに笑ったわ。いや~、お前さんは本物じゃ。儂の見立ては外れてなかった!」
「そうね。間違いなく本物だわ。」
もう、何とでも言ってください。
・・・
程無くして、おじいさんと先生が落ち着き始めた。
「ちょっと、宜しいでしょうか。」
「な・・・、オホンッ!!何じゃ?」
流石おじいさん、克服してくれたね。
「有り余っているエネルギーを使って、乗り物を作りたいなぁって思いまして。」
「おぉ!それは儂の方じゃな!」
「え?そうなんですか?」
「なんじゃ、嫌か?」
「そうじゃないです、何がどっちなのか未だによくわからなくて」
「そんなもん気にせずに、聞けばいいんじゃ。」
「黒かもしれなくても?」
「む・・・。良いよ!そんなこと気にしてると、お前さんのスキルアップが遅くなるから。」
ちょっと大人な事を言ってくれるじゃん。
しこたま笑ったから、満足して、目を瞑る事にしてくれたのかな。
なんにせよ、ありがたいわ。
グラーシュのスキルや魔法は修得におカネがかかる場合があるけど、俺のは寝て起きるだけ。
お二方のおかげで、プライスレスだな~。
しかも、こうして睡眠中も、味わい深くて、楽しい時間が過ごせる。
気持ちの切り替えが上手にできるようになれば、このくらい昼と夜で色々あっても全然平気だ。
いや~、おじいさんと先生に感謝。
「で、乗り物って、どんなんじゃ?」
「え・・・自動車とかモーターボートとか・・・」
「うーん、何じゃ?」
「そうですね~。」
「アプローチを変えたらどう?」
「どういうことですか?」
「エネルギーをどう使うかって事よ。」
「単純に放出して動く乗り物にするか、円運動に変えて動く乗り物にするかって事ですか?」
「察しが良いわね。そうよ。」
エンジンやモーターを意識すると・・・。
「円運動かな。」
「であれば、簡単じゃな。お前さんのイメージする乗り物を光の粒子で成形して、エネルギーを使って円運動を創り出してそれを移動エネルギーに用いればよい。」
となると、俺が乗らないと動かないって事だよな。
まさに“ルラン専用”か・・・サイコーじゃん!!
ルラン専用・・・。
あーっ!!
ロボット作りたくなってきたー!!
3倍速い奴!




