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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第10章 ミーヴ(前編)
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第28話 その両立は出来ない

気が付くと、浴衣姿のグラーシュの膝枕で、うちわで扇がれていた。


「俺・・・」


「のぼせて倒れられたので、運びました。」


「ごめん。」


薄い浴衣の生地を通して、太ももの柔らかい感触が伝わってくる。


胸の谷間からグラーシュの湯上りの綺麗な顔が見える。


こんなん、全然、のぼせから回復する気がしないわ。


俺がグラーシュの自立を促そうとしても上手くいかない訳だわ。


グラーシュにしてみたら、俺がマヌケすぎて心配なんだろうな。


美人耐性の無い俺は、シンプルに、グラーシュにクラクラしているんですけど、グラーシュはその辺は自覚無いからな~。


俺も俺だけど、グラーシュもグラーシュだ。


だけど、この手のタイプって、あなたは絶世の美女なんですよって言っても、聞かないんだよな~。


だって、ちゃんと聞き入れて自覚してたら、こういう行動にならないし・・・。


ってか、グラーシュを俺の思いのままに変えるってのは、おこがましい話だ。


俺が変わればいいってだけのことなんだけどさ。


でもな~、美人耐性無しで35年も生きた俺がこれから耐性を持てる気がしないんだよな~。


それでも、諦めたらそこで終わりだし、これから少しずつ慣れていくしかないか。



しかし、この幸せな生き地獄である“湯上り膝枕で延々と続く意識朦朧”には終止符を打たねば、意識をまた失いそうだ。



「ちょっと宜しいでしょうか?お食事の用意が出来ました!」


「はーい!」


グラーシュが仲居さんに返事をしてくれた。


「失礼します~。」


「どうぞ。」


「あらぁ・・・ふふふ。」


顔を出さなかったからって覗き込んでくるなんて!グラーシュも中に入れるなよ。


ってか、おい、女将、今ちょっと喜んだだろ!


分かってるんだぞ。


意識朦朧としてるけど。


「よろしければ、お二方の分はこちらの部屋にお持ちしましょうか?」


「すいませんが、そうして頂けますか。」


グラーシュ、そうじゃない。


グラーシュは立ち上がって、俺を畳に放り出すんだ・・・。


できる訳ないか・・・。


仕方ない、俺が・・・。


起き上がろうとしたら、またフラッと来た。


「危ない!」


グラーシュが慌てて両手を広げて・・・むにっ。


顔からグラーシュのおっぱいの谷間に突っ込んでしまった。


もうだめだ・・・。



・・・



・・・・・



気が付くと、目の前の和風テーブルに、豪勢な海鮮料理が所狭しと並んでいた。


船盛、鍋料理、焼きガニ、貝の炉端焼き・・・これでもか言わんばかりだ。


しかし、俺は相変わらずの幸せな生き地獄状態。


「グラーシュ、先に食べてて良いよ。せっかくの豪華料理が、勿体ない。」


「はい。」


「俺も調子が戻ったら食べるから。」


「はい。」



・・・



グラーシュはなぜか膝枕したまま料理を食べようと工夫している。


そうじゃないんだ、グラーシュ・・・。


俺はグラーシュが料理を見ている隙に、ゴロンと膝から降りた。


「大丈夫だから。」


「はい・・・。」


グラーシュが近くの座椅子に正座して食べ始めた。


行儀の良い事。


座椅子に正座する子初めて見たわ。


ともあれ、俺のことを気に掛けながら食べようとしてくれてるんだね。


気を遣ってくれてありがとう。


俺は、目を瞑って、回復に集中した。


聞こえてくるグラーシュの食事の音が、食欲を刺激してくれたのもあって、意識が戻ってきた。



「わーっ、ルラン様、これ美味しい!」


グラーシュが突然、声を上げた。


気になって目を開けると・・・


見えた!・・・とかじゃない!!


見えてる!


和室でごろ寝してる俺に、浴衣のグラーシュが正座で膝を開いてこっち向いたら・・・


もうそれ、見せてるだろ。


ふとももの奥に・・・


目が釘付けで離せない・・・。


胸の鼓動が脳天まで響いてくる・・・。


ヤバい・・・。


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