第24話 納品開始
何とか目標地点の1番倉庫に到着した。
マジで・・・定期的に、番号を見直せよ!
その方が、ここで働く人だって、ハンドリングしやすくなるだろ!
利用期間の長い人にとってだけ使いやすい仕様ってのは、どうなのよ。
もう2度と使わねぇ!・・・って思っても、案外と何度もお世話になることがあるから、マジで一見さんにも使いやすい仕様にして欲しいわ。
ってな具合に、一通り心の中で愚痴って、気持ちを落ち着かせてから・・・。
「すんませーん、納品に来ましたー!」
倉庫の大きな荷物用出入口の脇にある作業者用の出入口を開けて、声をかけてみた。
「お疲れ様でーす。えーっと、どちら様ですか。」
「グラーシュです。グラーシュ・カラーです。砂の納品に来ました。」
「はいはい、聞いています。入ってください。」
倉庫内は、体育館のように1部屋の構造で、中央の金属製の大きな床が敷かれていた。
「この床の中央に、砂を配置すればいいですか?」
「はい、この床が丸ごと秤になっているので、重量の測定ができるようになっていますから、安心して下さい。」
「はい。では、ルラン様」
「あ、うん。」
倉庫の天井付近にゲートを開いて、ザーッと落とせばいいんだけど、倉庫番に不審がられても嫌だから、地道に革袋を逆さにして出すことにした。
・・・
・・・・・
長い!
ただひたすら、革袋を逆さにして出てくる砂を床に撒いているんだけど、全然終わらない。
当然だよな。
こんな小さな袋の口から、自由落下させ続けたって、吐出量はたかが知れている。
倉庫番も、始めのうちは近くで立ち会っていたり、定期的に砂を採取して品質のチェックをしていたが、飽きたのか姿を消してしまった。
「グラーシュも、ずーっと、別に立ち会う必要ないよ。単純作業だから。」
「・・・」
「埠頭を散歩してきて良いよ。何かあったらいけないから、アルディとエレナを連れてさ。」
「いえ、大丈夫です。」
ははは、付き合ってくれるのね。
「ありがとうね。」
・・・
・・・・・
ダメだ。
こんな自由落下で撒いていたら、いつまでたっても終わらない。
ストックしてあったエネルギーを付加して、どんどん放出した方がいいわ。
どうせ使いきれないほどのエネルギーが溜まっているんだし。
敷き詰められた一面の砂場から少し離れて、袋を脇に抱えて準備完了。
砂場の中心に向けて山なりに放出、開始!
ゴォォォォォォーーーーーーッ
うん、こっちの方が早い。
それに、ゲートの中でエネルギーを付加しているから、袋が射出の際の反動を受けないから特に負担も無いし。
この調子だ。
突然の轟音に驚いたのか倉庫番が慌てて現場に戻ってきた。
「すいません。ちょっと時間がかかりそうだったんで、やり方替えました。いいですよね。」
「は・・・、はい。壁とか天井とかに掛らないようにしてくださいね。それと、既定の床から出た分は測定外なので、その点も注意してください。」
「わかりました~。」
・・・
・・・・・
そして、砂の丘が出来上がった。




