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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第10章 ミーヴ(前編)
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第17話 実物を使った打ち合わせが肝心

「魔法を使っている様子も無かった・・・。どうなってるんだ・・・。それにこの切り口は何だ?」


「切り口が変ですか?」


「何の抵抗も無くに、鋼鉄の芯を一方的に切断してる・・・。しかも熱も持っていない、切り口は生の鋼鉄そのものだ・・・。」


なんか、ただのエロジジイじゃない。


よくわからんけど、それっぽい事を言ってるぞ。


なんだか、アルディの弓の為とはいえ、“地雷”を踏んでしまったような気がする。


・・・


「とにかく・・・約束通り弓は作る。アルディさんと打ち合わせをさせてくれ。」


そういうと、トボトボと作業場を出て行ってしまった。


あれ?


噛みついて来て、下手すれば質問攻めにあうかと思ったが、心が折れてしまったか・・・。


気に入らないジジイだって思ったけど・・・年寄りの寂しそうな後姿は、あまり見たくない物だ。


ちょっと悲しくなってしまった。



って感傷に浸っている暇は無い。


このままでは、戻ってきたボルカールが、試しに、切り口を合せたときに、わずかながら短くなっている事に気が付かれてしまう。


この隙に2つの切り口の片方にハルバードで削って吸収した分を戻さないと。


切り落とした切り口に手をかざして念じたらできそうな気がしたけど、これは教わっていない事だから、止めておこう。


切り落とされた方を吸収して、ゲートの中で吸収した分を復元するイメージを膨らませてから、取り出してみた。


試しに切り口を当ててみると…あら不思議!


全く違和感の無い切り口だ!


これでよし!


おじいさんの後を追うか。



・・・



・・・・・



アルディがさっきまで試射していた弓を使って、ボルカールとアルディが、あぁでもない、こぅでもない言いながら試射をしていた。


弓の事はよくわからないが、こういう実物を使っての丁寧な打ち合わせが一番大切なことはよくわかっている。


営業でも、カタログやチラシの類だけじゃなくて、様々なサンプルを使って説明したものだ。


貸し出せるものや試供品があれば積極的に活用した。


そうした方が売れるから・・・ではなくて、納得して貰えるからだ。


今も、売る事も大切だけど、同じくらいか、それ以上にお客の納得が大切だと思っている。


その意味ではボルカールがアルディの様子を見て聞いて提案して、アルディが妥協無しで言いたいことを言っている姿は、見ていて気分が良かった。


鼻の下なんて伸ばしていないで、始めからこういう職人の姿を見せて貰いたかったな~。



・・・



気が付いたら、外は随分暗くなっていた。


今日の宿を決めてもいないってのに、まだアルディとボルカールは打ち合わせ中だ。


仕方ない・・・。


いつまで打合せが続くのか分からないし。


「グラーシュ、エレナと一緒に今夜の宿を探してくれるかな。納品場所から遠ざからないでね。まぁでも、近場でいいや。」


「はい。」


返事をしてグラーシュは出て行った。



それから少し経ってエレナから、宿泊先に決定の思念が飛んできたが、打合せはまだ終わない。


どういう訳か、たまに槍を振り回してみたりしてる。


弓と何か関係があるのか?


余りにも退屈で、寝てしまった。


打合せが終わったとアルディに起こされたのは、それから1時間後だった。


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