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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第10章 ミーヴ(前編)
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第16話 プロの“かまし”

「あぁ、エレナですか。仲間の1人ですよ。」


「そうかそうか。その・・エレナさんは、いいのかね?」


え?


エレナの武具はお構いなくって言いたいところだけど・・・いい機会だから本人に来てみるか。


「アルディ、エレナと馬の番交代して。後で呼ぶから」


「御意。」


アルディと入れ違いでエレナが入店してきた。


フードから顔を出した瞬間、ボルカールの顔がまた呆けてしまった。


“エレナ、フードまでだ。ローブは脱ぐな”


“分かりました”


「エレナさんは、武器とかいかがですか?」


「私は、ルラン様から十分な武器と防具を頂いていますので、お構いなく。」


一礼すると、エレナは出て行ってしまった。


はっきりしてるなぁ。


見れば、ボルカールもポカーンとしている。


入れ替わりでアルディが入ってきた。


「さて、ボルカールさん。アルディの弓を作って欲しいんですけど、作れますかね?」


「ちょっと待ってくれ!その前にエレナさんの武器を見せてくれ!」


「何でですか?」


「鍛冶屋をやって、名匠と言われてから、あんなにきっぱりと断られたのは初めてで・・・いやそんなことより、他の武器の方がいいと聞いたら、観ずにはいられん。」


「まぁ、良いじゃないですか。個人の好みとかありますし・・・。」


「嫌じゃ。んーーー!見せてくれないと、弓を作らん!」


頑固ジジイ!


「見せたら、作ってくれるんですよね。」


「くどい!吐いた唾は飲まんわ!」


仕方ないな。


「エレナ―、武器持って入って来てー!」


すぐに身の丈を超える大きなハルバードを持って店に入ってきた。


「―――!?」


ドン引きしとるやん。


次の瞬間、さっきまでエレナに興味があったのが嘘のように、ハルバートを見ている。


「もういいでしょ?」


「見せてくれるって言ったのは誰だ?」


「見せてるでしょ。」


「そんな馬鹿な話が有るか!ついて来い!」


・・・


ボルカールの後をついて地下に移動した。


作業場のようだ。


「さて、2つ試し切りしてくれるか。こいつと、こいつだ」


そう言って、試し切り用の巻き藁のような物を指さした。


エレナは、静かに前に出て、一刀ずつ入れて、音も無く、2つとも両断した。


ボルカールが大きな口を開けて固まってしまったが、エレナは一礼して出て行ってしまった。


そんなに凄い事なのか・・・?


確かに、エレナのハルバートは、異常なほど切れる。


でも、ボルカール製の武器だってこのくらいの切れ味なんじゃないの?


「どうなってるんじゃ・・・」


我に返ったボルカールが、2つ目の試し切りの切り口を、舐めるように見ている。


なぜ、1つ目を見ない?


不思議に思って、ボルカールに近づき、切り口を俺も覗き込んだ。


やりやがったな、このジジイ!


2つ目の方は、芯に金属が仕込まれてる!


やらかした!


まさか、武器じゃ切れるはずが無かったんか?


「エレナさんは、ルラン様から頂いた武器と言ってたな・・・」


「ははは、そうでしたっけ・・・」


「あれはどこで手に入れた?」


「えーっと、レーゼン侯爵城で頂いたんじゃなかったかな?」


「バカを言え、レーゼン侯爵のところに、あんな武器ないわ!」


そうだった、この爺さんは、レーゼン侯爵城を出入りしてたんだった。


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