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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第10章 ミーヴ(前編)
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第7話 上手いことやられた・・・

「ここで報酬を受け取る人、それぞれ相場がバラバラでさ・・・。それだけならまだしも、俺らの1kg5Yはどう見ても安過ぎる!」


「え?」


「もしかすると、砂不足の緊急事態で、始めは高い報酬で人を集めておいて、すこーしずつ契約金を下げて、費用を抑えているんだと思う。」


「えーっ!」


「契約したらすぐ現場に出てしまうからね。契約した人が未契約の人にリークってことはあまり無いんじゃないかな。」


「他の人のレートってどのくらいなんですか!?」


「ヒアリングして回っている訳じゃないから分からないけど、ここで見ている限り、高い人では1kg50Y貰っている人もいる。」


「1kg50Y!?」


1日1,000kg集めれば、50,000Y・・・、そのくらい貰えればいいかもしれない。


もしかすると、火を灯してやっている連中は、もっとレートが高いかもしれない。


レートが高ければ、下請け人を引き連れて夜通し掘ってもいいもんな。


「そんなに違うなんて・・・。辞めます?」


「うーん、その辺は責任者とどういう話になっているの?」


「納品に対して報酬を払うから、辞めるか続けるかの選択は、自由と説明されました。」


なるほど・・・。




「注意事項とかは?」


「砂の品質に影響するから、基本的に魔法や火薬などの使用は禁止だそうです。」


「基本的に?」


「はい、結局のところ、納品に対しての報酬なので、納品時に品質をチェックし、一定レベルの品質の砂しか受け取らないみたいで。」


「そうか・・・ん?砂の納品?さっき、小石や小さな岩のまま納品していた人もいたよ。」


「はい。砕いて砂にできるサイズなら納品できるようです。」


「ふんふん。」


「その代わり、報酬は半額です。あくまで砂の納品ですので、直径が2mm以下になっていることが必要のようです。」


「マジかよ。そしたら、さっきの高額報酬の連中は、砂で納品していたら、1kg100Yだったってことか。」


俺たちの20倍のレート・・・。


「そうなりますね・・・どうしますか?」


「なんか・・・」


「なんか?」


「逆にテンション上がってきたっ!泡吹かせてやるっ!!」


「はいっ!」


「1日の納品上限とか言われた?」


「その点については何もありません。よっぽど砂が足りないんだと思います。」


よし!


「夜通しやるか。」


「え?今からですか?」


「そう。グラーシュとアルディは火の番していればいいよ。俺とエレナでやるから。」


「はい?」


「大丈夫。安心して!」



・・・



出来るだけ他の作業者から離れた採石ポイントに移動した。



俺の採石作業は至極簡単だ。


俺の前にゲートを展開させて花崗岩に突っ込むだけ。


夜の作業が許されていることが功を奏したわ。


らくちん、らくちん。



お願いしたとおり、グラーシュはアルディと一緒に野営地を設営している。


ただ、エレナがいう事を聞いてくれない。


「頼むよ。あのスキル使って、花崗岩に突っ込んでどんどん吸収してよ~。」


「嫌です。そんなことをするための力ではありません。」


くーっ。


何を言っても、この“そんなことをするための力ではない”の一点張りなんだよな~。


無理にさせるのも、俺が気分悪いし・・・。


「分かった。エレナはアルディと交代してもらっていいかな?」


「分かりました。」


・・・


少し経つと、借りたつるはしを肩に掛けたアルディが到着した。


“俺の作業が終わるまで、ひたすらつるはしで花崗岩を叩いて”


“御意”


これはあくまでカムフラージュ。


俺の作業が他の作業員に邪魔されないように、作業音を創り出すための“音出し”だ。


アルディはこんな仕事も受けてくれるのに・・・。


まぁ、いっか。


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