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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第10章 ミーヴ(前編)
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第6話 仕事場に到着

紙に記されている場所に4人で向かった。


ガラス・研磨・鋳物用の珪砂集めなんて、如何にも工業ギルドっぽい仕事だな。


しかし、どんな管理してるんだ?


そんなに大切なら、在庫が無くならないようにすればいいのに。


予想外の需要のビックウェーブが来ちゃったって事なのかもしれないけど。




色々な想像を巡らせているうちに到着した。


だだっ広い“採石場”だ。


黒いゴマが混ざった白い岩だらけ・・・


ここは一帯が、花崗岩地帯なのか。


そこかしこで、集団がひたすら採石している。


物凄い人の数だ。


しかも、俺以外はみんなガテン系か・・・。


おいおい、これからあんな肉体労働をしろって事なのか?


やだー、俺は肉体労働したくないー!


でも、どう考えても、グラーシュ一行が採石を受注したわけだし、従者の俺もやるしかないよな・・・。


いや、まだだ、何かないか・・・。


肉体労働したくなーい!


なんで異世界に転生してまで、不意に始まる肉体労働に付き合わなければならないんだ。


なんかあるはずだ!


肉体労働を回避する方法が!



周囲を見渡すと、建物が1つ見えた。


あれは・・・現場事務所か。



「グラーシュ、あれは事務所じゃない?まずは挨拶に行ってみよう。」


「はい。」



・・・



「ごめんくださーい。」


事務所の玄関を開けてみた。


うっ・・・。


中は汗の匂いが充満していた。


数人が休んで居た。


昼寝している人もいれば、水分補給している人もいる。


「ギルドからこちらで働くように依頼を受けて参ったのですが、責任者の方、いらっしゃいますか。」


グラーシュの声を聞いて、水分補給していたガタイの良いおっさんがこっちに気づき、近づいてきた。


「おいおい、こんな美人さんがこの現場で働くって?ひひひ、誰だ?誰んとこに来た?」


このおっさん、何か勘違いしてないか?


「一緒に砂集めして欲しいと、ギルドのおじいさんから依頼を受けてきました。」


「はぁ?お前みたいなのにできる訳ないだろ?今日の仕事はもうそろそろ終わりだ。悪いこと言わねぇから、仮眠室巡りしてくれや。」


ダメだ、こりゃ。


話にならん。


でもまぁ、いきなり手を出してこなかっただけマシか。


相手にしても時間の無駄だし・・・。


「責任者は外っぽいね。探そ。」


「はい。」


「失礼しまーす。」


何やらおっさんの罵声が聞こえたような気がしたが、相手にしても仕方ない。


速やかにその場を去り、現場で責任者探しを始めた。


改めて見渡すと、現場事務所の他に、いくつもテントが張られていた。


中には、“工”と書かれたテントもある。


多分工業ギルドのテントだろう。


その“工”中でも、ひときわ大きなテントがあった。


「あれ・・・かな。」


「そうっぽいですね。」


気が付けば、日が落ち始めていた。


現場では一部に火がつけられて作業を続行している場所もあるが、ほとんどの作業場が片付けを始めている。


片付けの終わったところから、砂を乗せたリアカーを引いた作業者たちは、工業ギルドのテントに向かっている。


しかし、工業ギルドのテントの前には既に作業者たちの列が出来上がっていた。


その工業ギルドのテントの裏からは、定期的に、ひときわ大きい“工”テントに向かって、職員が走っていくのが見えた。



「責任者は、きっと、あの大きな“工”テントじゃないかな。グラーシュ、ちょっと行ってきて。」


「はい。」


グラーシュに一番大きな工業ギルドのテントを示して向かわせた。


俺は、各“工”テントに近づき様子を見ることにした。



今日の作業の報告を受ける職員、採石量を測定する職員の他に、指揮する職員が居た。


皆テキパキとこなしている。


現場作業で、ちんたらやってるとヘイトが溜まるからね。


素晴らしい対応だ。



・・・



「無事に手配が出来ました。」


グラーシュが嬉しそうに帰ってきた。


「グラーシュ、喜んでいられないかも・・・。あの腰曲がりジジイにやられたよ。」


「え?どういう事ですか?」


「グラーシュが話を付けに行っている間、ここで採石量の測定と支払われる報酬を見ていたんだよ。」


「はい・・・。え?支払いがまた引換証で、銀行に行かなきゃとかですか?」


「いや、そうじゃない。ある意味それよりも酷いかもしれない。」


「なんですか?」


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