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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第10章 ミーヴ(前編)
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第5話 人探しの代償?

言われた通り、西に向かって馬を走らせた。


海が見えてきたところで、工業ギルドが見えてきた。


私立ギルドで、さほど大きくなさそうだ。


しかし、建屋の大きさで仕事をする訳じゃない!


きっといい情報が手に入る!


そう信じて、グラーシュと建物に入ってみた。




おかしいな・・・


誰も居ない。


「職員さん達・・・何処に行っちゃったんでしょうか。」


グラーシュが見渡しながら心配そうに呟いた。


「ちょっと、待っててみようか。」


・・・


少し待つと、腰の曲がったお爺さんがカウンターに出てきた。


おいおい、あんな爺さんも働いてるんか・・・。


この世の中は、悠々自適に年金暮らしって訳には行かないんだな。



「いらっしゃい。」


「すいません、初めての訪問なので勝手がわからないんですけど・・・。」


「まずは、ギルドカードを拝見しようかね。」


「あ、すいません。」


グラーシュが慌てて前に出てギルドカードを渡した。


「ご丁寧に渡してくださってぇ。ギルドカードは見せるだけでもいいんですよ。新米さんかな?」


「あっ、はい。」


「えぇっとぉ、グラーシュ・カラーさんだね。ランクは・・・」


そこまで言うと、おじいさんの声が途切れてしまった。


○んだ?


グラーシュの後ろからおじいさんを見ると、目を細めて、ギルドカードを見ている。


「新米さんが、南の英傑でランク103・・・・こりゃ凄いな。長生きってのは、するもんだな~。後ろにいる3人は?」


「私の従者です。」


「ほぇ~、流石ランク103は違うな。ギルドメンバーでチーム組んでるんじゃなくて従者か・・・。で、仕事を探しに?」


「いえ、人探しに来ました。」


「人?誰かね?」


「鍛冶屋のボルカールさんです。」


「おぉ、ボルカールを探してたんかね。」


「はい、お店分かりますか?」


「多分、分かると思う。」


「多分?」


つい後ろから口を挟んでしまった。


「うむ、このギルドにボルカールは登録してないんじゃが、ミーヴ内のどこかの工業ギルドに登録してるはずじゃ。」


「そういうもんなんですね。」


「いかに名匠と言えど、ギルドに登録していた方が、仕事しやすいからな・・・。ん-、ちょっと時間をくれれば、そのうちに調べるが、どうじゃ?」


グラーシュが、俺の顔を見てきた。


俺が頷いたのを見て、おじいさんの方に向き直った。


「分かりました。」


「ついでと言っちゃあなんだが・・・」


「ついで?」


「今、ガラスの材料と鋳型と研磨用の“珪砂”を集めとってな。人手が不足してて、職員も総出で砂集め中なんじゃ。」


「はい・・・。」


「仕事じゃ、仕事!」


「そういう事ですか。報酬はお幾らでしょうか?」


「1kg5Yじゃ。どうじゃ?」


グラーシュが困ったような顔をしてこちらを見てきた。


いや、俺だって・・・。


そもそも砂の相場なんて、全然わからないぞ。


ただ、おじいさんが意地悪しているようにも見えないし・・・ええぃ、ままよ!


グラーシュに向かって俺が頷いた。


「分かりました。やります。」


「商談成立じゃな。そうしたら、採集場所はこの紙に書いてあるから、向かってくれ。」


手渡された紙には、地図とグラーシュ・カラーが1kg5Yで仕事を受けた旨の契約内容の記載とギルド印鑑が押されていた。


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