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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第10章 ミーヴ(前編)
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第2話 鑑定眼の使い方は人それぞれ

完全に盲点だった。


でも・・・冷静に考えて見ればわかる事だ。


量販店が幅を利かせて始めている事が王都中央市街地で分かっていた。


量販店は量をさばいて利益を確保することが狙いだから、量産品を安い価格でガンガン販売する環境ということになる。


そんな環境の中で、個人店が生き残りをかけて量販店に対抗しようとすれば、量販店では不十分になりがちな専門性を活かすことになるだろう。


たとえば、個人店としては、お客様の事を第一に考えて、武器や防具は使い手に最適なものを提案することで、量販店の出来ない接客が成り立つ。


特に、オーダーメイドも対応できる専門店となれば、その傾向は強くなるだろう。


そして、この世界では鑑定眼という素晴らしいスキルがある。


この鑑定眼を利用すれば、お客様から示された要望だけではなく、鑑定結果から最適な提案をすることもできるだろう。


たとえ、鑑定眼が500Gという高額商品でも身に付けたいところだな。


一時の500Gの出費はキツいけど、“あの店に行けば、自分に最適な防具を提案してくれる”という評判が広まれば、客が客を呼ぶわけだ。


最適、かつ、高級で高品質な防具を提案し、売上を積み上げ続ければ、500Gは回収のめどが立つ。



もしかすると、さっきの店員は、先代からスキルのコツみたいなのを教わって、修得したかもしれないな。


あるいは、生き残りをかけて鑑定眼を持つ人材を探して採用しているかもしれない。


とにかく、専門店として生き残るために鑑定眼持ちを店員として配置する事は、有効な手段だ。




って、何やっとるんだ、俺は・・・。


ミーヴ到着でいきなりマヌケっぷりを発揮して、グラーシュに助けられた。


マジで、グラーシュに感謝。



反省していると、店の外にグラーシュが出てきた。


「以後は、まず私が店の中に入ります。」


「はい・・・よろしくお願いします。それと、ありがとう。」


「いえいえ。」


「ボルカールの店の情報は?」


「ありませんでした。」


「そうか。まぁ、残念だけど、知らないものは聞き出しようがない。仕方ないね。」


「それと、グラーシュは、どのタイミングで店員が鑑定眼持ちって分かったの?」


「タリスマンを提案してきたタイミングです。」


「え?」


「そのタイミングで、怪しく思って鑑定したからです。」


「そうか・・・俺のことを鑑定したっぽい?」


「そこまでは分かりませんが、多分していないと思います。」


「なんで?」


「私がルラン様を店員から隠すようにして外に押し出していた時、店員がしきりに左右に体を振ってルラン様を見ようとしていました。」


「ちょ・・・後ろに目があるの?」


「無いですよ。でもそのくらいは気配で分かります。」


「ははは、そうですよね。」


グラーシュの事はさておき、確かに、俺を見ようとしていたのであれば、グラーシュの言う通りだ。


それまでに鑑定が済んで居たら、そんなことしないもんね。


「それに、来る人全て鑑定していたら身が持ちませんよ。」


「ははは。」


「多分、買う見込みがある人だと判断したら、その人を鑑定するっていうスタイルなんじゃないでしょうか。」


そうだよね。


俺らみたいに特殊な事情があって鑑定眼を使うならまだしも、商売に使うってだけなら、そうなるよね。


アレだ!


特殊なゴム製品をレジに出しても、コンビニの店員は割とドライに会計処理するのと同じか。


“変な事を思われているんじゃないか”と気にしているのコチラだけで、店員さんにとっては、淡々とこなす“作業”の1つにすぎないってやつ。


「店員としては、私がルラン様を隠しながら店の外に出す姿を見て、慌てて鑑定しようとしたんじゃないでしょうか。」


「なるほどね。」


なんか、俺の属性を丸ごと偽装する方法無いかな~。



・・・


いや・・・待てよ・・・。


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