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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第9章 王都中央市街地(後編)
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第19話 マヌケと向き合う

分かってるんだ、怒られるのは、おじいさんと先生に・・・。


マヌケって・・・。


でも、これも、一通り怒られるしかない。


自分のせいで他人に溜まった鬱憤は、1人ずつ怒られてガス抜きせねばならんのだ。


怒られるくらいで済むなら、怒られておこう。


怒られて謝っても気が済まないって言う人は、今後の人間関係を見直すとして・・・。


おじいさんと先生はそんな人じゃないから。


このマヌケ!って怒られたら、ちゃんと向き合って、謝って、済ませよう。




「お疲れ様でーす・・・。」


「おぉ、お疲れ様、お疲れ様。」


「大変だったわね。」


「え?あれ?怒ってない?」


「なんで儂等が怒らなきゃならんのじゃ?」


「そうよ。別にスキルの取り扱いを間違えた訳じゃないし。」


「単にお前さんが、マヌケで、旅にスパイスが効いたってだけじゃろ?」


言われてみれば・・・その通りか。


「それに、おまえさんのマヌケっぷりを、いちいち指摘してると、こっちが持たん。」


「そうね、日が昇る度に怒るようなものだわ。もう、自然現象の1つみたいなものなのよ。そんなものにその都度真面目にリアクションしていたら、どうかなっちゃうわ。」


なんだろう。


怒られなかったのは良かったけど・・・その理由は嬉しくないなぁ。


とっても複雑だ。



“怒られ無くなったら終わり”って言葉があるけど、それは周りが俺の成長を諦めたという一面を表すんだと思ってる。


俺のマヌケはもう直らないって、おじいさんと先生は悟っちゃったんだ・・・。


俺のマヌケが手放しで許容されたって事じゃない、呆れられたってだけだから。


後は、俺自身がマヌケを直していくしかない。


だって、マヌケのせいで旅がつまらなくなったら、俺が損するし、仲間に迷惑をかけてしまうから。



「自主反省は済んだ?」


「はい。」


「がはは、自覚して、自分の特徴と向き合って、精進せい。それもまた自分の人生を楽しむコツじゃ。」


「はい。」


俺の人生には、他の人の人生と違う俺の人生特有の妙味があって、俺の人生を愉しむ特権は俺にしかないってか。


その“俺の人生の妙味”を味わって楽しむには、俺の人生の特徴ときちんと向き合わないと・・・だな。


スタートが“死に損ない”で、“嫌われ者”だったから、分かりやすくて良かった。


“マヌケ”はどんな味わいになるか分からんから、分からんなりに歯ごたえや味の変化があって、愉しめそうだ。




「ところでじゃ、なんかグラーシュの様子変じゃなかったか?」


「え?・・・いつですか?」


「いつって、さっきじゃよ、フォグパレスを愉しんでいる間と言ったらいいのかな・・・。」


「そうね。なんか・・・ね。」


「ん?フォグパレスをちゃんとコントロールするために必死だったからじゃなくて?」


・・・


「本物か・・・。」


「本物ね・・・。」


「え?」


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