表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第9章 王都中央市街地(後編)
285/475

第15話 王立図書館の所蔵品

「申し訳ございません。ご希望の本なのですが・・・お取り扱いがございません。」


そんな馬鹿な。


歴史書を探す最中に、シーデリア王朝に関する歴史書があって・・・。


そこには“創世以来の王朝”、“創造主よりシーデリアを賜りし絶対の王”など随分なことが書いてあったのに・・・。


それが本当なら、創世以来の本、有るだろ!


・・・


いかんいかん、落ち着いて、ヒアリング、ヒアリング。


「シーデリア王は、創世からの王家と聞いています。その所蔵となれば・・・」


「申し訳ございません。お取り扱いがございません。」


ふとリーチ伯爵を見ると、唖然としている。


俺は、ここで引き下がれんぞ。


誰かに察知されたら嫌だからと、王都中心街に入ってから極力控えていたが、光の粒子でサーチするか。


散布!


・・・


んんんんーっ!


あるやんけーっ!!


地下の所蔵庫に!


しこたま、古文書っぽいもんが!


・・・


落ち着け、俺・・・。


有るのに、出せないという事は、まだまだ焚書の危険があるって事なのか?



“歴史は繰り返す”っていうぐらいだから、歴史を学ぶことには凄い価値がある・・・


だからこそ、歴史書への介入は、非常に丁寧にしなければならないのに。


議論も検討もさせない“焚書”は、俺には意味が分からない。


生きた証を書に残す・・・。


焚書は、生きた証も消去してしまう所業だ。


その焚書を警戒しての“お断り“なのだとすると・・・仕方ないわな。


今ここで、伯爵からの要求でも、取り扱いが無いって言い切る理由も分からないでもない。


いわんや、突然現れた冒険者なんて・・・。


スパイかもしれないって疑わしいもんな。


ごり押して、何が何でも見せてくれ!なんて言えないな。



はぁ。


今回は、有るって分かっただけで引き下がるか・・・。


歴史の勉強も、色々と障害があるなぁ。


何かの縁があれば、見る機会が巡ってくるだろう。


あとは・・・レーゼン侯爵領の所蔵本か・・・。



「伯爵、ご協力ありがとうございました。帰りましょう。」


「え!・・・いいんですか。」


「いいんです、いいんです。それなりに収穫はありましたから。」


「ルラン殿がそういうなら・・・分かりました、帰りましょう。」


妙に聞き訳が良くなって気持ち悪さを覚えるが、とにかく、やるべきことが一つ潰し込めたから良しとしよう。



・・・


・・・・・


帰り道のリーチ伯爵は静かなものだった。


王立図書館の対応に、頭の中で疑問が巡っている様子だ。


打算的な思考から生まれた“俺の勧誘”よりも、自分自身の内側から自然に湧き出た“知的好奇心“に向き合っている姿は、個人的には好感を覚える。


壊れかけの馬車のきしむ音だけが響いていた。



話すことも無いし、窓の外を眺めていた。


「あ・・・あれ・・・」


執事さんの声に気が付き、目を向けると、窓の外を指さしている。


「どうしたんですか?」


「館の方角に・・・何か大きな・・・」


ん?


執事さんの指差す方向を眺めてみた。


「ちょ、あれ、何!?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ