表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第9章 王都中央市街地(後編)
278/475

第8話 温まって夜の準備

帰りの馬車は快適そのものだった。


何せ、リーチ伯爵は、精神的疲労から、完全にグロッキーだったからだ。


執事もグラーシュを口説くように言われてなかったようで、静かにしていてくれたし。


時折、グラーシュが座りながら、上半身だけでシャドーの様な動きをしていた。


それを目の当たりにしたリーチ伯爵から小さな悲鳴のようなものが聞こえたが、いい刺激になっていたと思う・・・多分。


反復練習や、イメージトレーニングは、とっても大切だよね。


学生時代のクラブ活動を思い出すわ。



古い記憶に浸っているうちに、リーチ伯爵邸に到着した。


「「おかえりなさいませ」」


馬車を降りると、メイド数人に出迎えられた。


「お食事の用意が出来ています。」


「うむ・・・」


全然元気ないじゃん。


仮に元気なくても、カラ元気でお礼ぐらい言え!


食事の準備も済ませて出迎えてくれてるってのに・・・。


めちゃくちゃ良くしてもらってるじゃん!


なんだ、この伯爵!


外回りして、営業所に戻って、パワハラ受けて・・・。


誰も居ないアパートに戻って、冷凍食品やレトルト食品を独りで食べてみろっての!


・・・


いや、俺がこっちの文化を分かってないだけのことか・・・。


リーチ伯爵のこの態度しか見ていないから、“貴族かくあるべし”とかよくわからない訳だし・・・。


昔は昔、今は今、程よく順応しないと。



・・・


・・・・・


食事の最中もリーチ伯爵はグロッキーなままで、黙っていてくれた。


おかげで、料理に集中できて、美味しくいただけた。


「グラーシュ、今夜も?」


「はい、やります!よろしくお願いします。」


また・・・アレか・・・今夜も激しく悶えるのかな。


今夜のフォグパレスも、レアで【軍】だから、有り得るな・・・。


また、えっちぃんだろうな・・・。


じゃない!


グラーシュは真面目に取り組んでいるんだから、俺もちゃんとせねば!


「そしたら、シャワー浴びて明日の準備してるから、昨日と同じ頃に来て。」


「はい。」


執事とメイドの視線を感じた。


なんか昨晩の騒ぎを誤解されているような・・・。


ただ、邪魔されても嫌だし、余計な詮索をされても嫌だし、リーチ伯爵のスカウトが過熱しても嫌だし・・・


まぁ、いっか。



「すいません、大浴場がございますので、宜しければそちらもご利用ください。」


突然口を開いた執事の発言に、期待が膨らんでしまった。


「大浴場?」


「はい。ございます。」


「是非!」


「部屋の外で待機しますので、ご準備整ったらご案内いたします。」


「ありがとうございます。」


「いえいえ、滅相もございません。」



・・・


・・・・・



案内された大浴場は、イメージしていたビジネスホテルの“大浴場”ではなかった。


内湯、露天風呂、リラクゼーション、畳の間まであって、よもや、温泉施設のようだ。


貴族って、すげぇな。


温泉好きの俺としては、たまらないひと時だった。


ついつい、内湯と露天風呂を往復したり、マッサージを受けたり、畳の間でゴロゴロしたり・・・。


一緒に入っているアルディは、露天風呂で呆けていた・・・ように見えた。


いいよね~、露天風呂。


空を眺めて風呂に浸かるって気分いいし、秋の空気の冷たさのおかげで、のぼせないで入っていられるし。


ここの為に、定期的にリーチ伯爵邸を訪問してもいいな・・・。



あ!


やば、グラーシュの事をすっかり忘れてた!


俺は慌てて部屋に戻った。


部屋の外には、湯上りの美人が既に居た。


「ごめん、待たせちゃったね。」


「大丈夫です。」


「入って入って。」


“エレナ、アルディ、今夜も部屋の外で警戒よろしく”


“”御意“”


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ