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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第9章 王都中央市街地(後編)
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第7話 グラーシュからの吉報

これ以上調べても、本当のことが分からないんだから、10号棟に居ても仕方ない。


管理人にお礼を言って、総合案内のある1号棟に向かった。


まだグラーシュとリーチ伯爵の姿は無い。


・・・


10号棟が歴史本を扱っていて、それが2階建ての小さな建物だって時点で気が付くべきだった。


そうすれば・・・。



いや!


このネガティブは、当初の希望“都立図書館で(正しい)歴史を知る事が出来る”が、達成できなかった事が原因だ!


そして、そもそも10号棟にはそれを叶える本が無かったのだから、この当初の希望は、始めから実現が出来ない希望だったんだ。


始めから実現できない希望を、実現できなかった~って凹んでいるのは時間がもったいない!


気持ちを切り替えよう!



「ルラン様―!」


声のする方を見るとグラーシュが手を振ってこちらに近づいてきている。


後ろにはげっそりしたリーチ伯爵も居た。


あれ?


そんなんじゃ、帰りの馬車の中でグラーシュを説得できないんじゃないの?


「リーチ伯爵、どうしたんですか?何があったんですか?」


「何があったも何も・・・」


「グラーシュ、何があったの?」


「別に何も無いですよ。」


「いえ!グラーシュ殿は、格闘術のホログラフィックを見ては、グラーシュ殿の言う通りのポーズをとる私に、寸止めで繰り返し試して・・・」


その度にグラーシュの殺気に当てられて、精も根も尽きたって事か。


ははは、そりゃ、そうなってもおかしくないわな。


リーチ伯爵は、ロビーのソファに倒れ込み、そして寝入ってしまった。


お疲れ様です。



「で、収穫はあった?」


「はい!色々と技のバリエーションが増えました。」


「それは重畳!」


「特に上半身の・・・」


そう言いかけて、見てもらった方が早いと言わんばかりに、グラーシュはシャドーし始めた。


「ちょ、分かったから。」


「はい・・・。ルラン様は?」


「空振り!」


「え!?」


「全く収穫が無かったわけじゃないんだけどね。」


「そうでしたか・・・。」


「あのさぁ。グラーシュ、レーゼン侯爵のところに図書館って有った?」


「ありましたよ。でも、その昔、大火事に遭ってしまったらしいです。」


そうか、それは過激で物騒な焚書だな。


「ただ、大切な古い本は図書館に置かずに、大切に保管していたから、火事を免れたって。」


「え?」


「それに、シーデリアで最も古い本が、レーゼンにはあるって話を聞いたことがあります。」


「おぉぉぉ、それは望みが出てきたかも!ありがとう、貴重な情報だよ、グラーシュ!」


「良かったです。」



ということは、この探求心を抑えきれなかった場合には、いずれレーゼン侯爵領にもお邪魔しなきゃいけないって訳だ。


俺は全くの別人だから全然平気なんだけど・・・。


グラーシュは城に立ち寄ると、思いっきり面が割れているから、面倒くさいことになりそうだな。


まぁ、そん時はそん時で、何とかするしかないか。


今から向かうわけじゃないし。


考えても仕方ない事は考えない。


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