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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第9章 王都中央市街地(後編)
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第6話 蔵書の奇妙な共通点

ってか、西暦9153年ってどういう事?


現世とここは違う・・・よね。


転生前の世界は魔法なんてなかったし。


それとも約7,000年を経て変わった?


ってか、“西暦”に凄い懐かしさと親近感が湧いたのに、なんだ、“王歴”ってのは?



どうせ利用者が俺しかいないんだから、管理人室に突撃して、マンツーマンでこの小さな10号棟の案内や、歴史をレクチャーして欲しいって思ったけど・・・。


あんだけやる気が無いんじゃ、頼み難いな・・・。


それでも、手当たり次第に初めて来た図書館で調べても、思うように知識に行き着けないから、効率が悪い。


ダメでもともと、管理人にお願いしてみるか。




「管理人さーん、すいませーん」


「・・・」


「管理人さーーーん」


「・・・」


ダメだ。完全に反応が無い。


こうなったら、やるしかないのか・・・。


管理人が管理人室で籠ってる・・・。


俺以外誰も利用者が居ない・・・。


と、来れば、アレをやればいい!



ぶんし・・・


「何か用ですか?」


でぇぇ。


あぶねぇっ!


「あ、すいません。歴史が全然わからないんで、何から読んだらいいかもアタリを付けれなくて、管理人さんにレクチャーして欲しいなって思いまして。」


「あんた、何言ってるの?」


「え?」


「管理人は司書じゃないの!司書じゃないから読書案内なんてしないよ。1人で好きにやって!」


・・・


言いたいことを言って管理人は引っ込んでしまった。



なんなんだ、この管理人は。


とにかくだ。


今がチャンスなことは変わりない!



“分身!”



本体は管理人室の監視。


2体作った分身体で、1Fと2Fを手分けして担当した。


ひたすら、気になったタイトルの本を手に取り、気になる部分を読んだ。


・・・


・・・・・


なんか・・・おかしい。


どの歴史の本も「我が国」というフレーズが無い点と、発行年が9000年以降という点で、共通している。


なぜだ?


本が書けるようになったのが、9000年以降だったわけじゃあるまいし。


ん?・・・


戦争か?


・・・


焚書か?


・・・


ビンゴ!


9000年に世界戦争があったようだ。


そして、このシーデリアは降伏した。


そこで、王政から民主制に代わり、王は形だけの存在になったようだ。



でも、そうだとすると・・・


「管理人さーん!管理人さーん!」


・・・


「何ですか、用事があるなら1回で済ませて下さい!」


「うぐ・・・ご、ごめんなさい。」


「で、用件は?」


「9000年よりも前の歴史の本って有りますか?」


「そんなもんある訳ないでしょ。」


「戦争で、焚書?」


「あんた・・・。さっきはふざけたことを言ってたから、相当な頓珍漢だと思ったけど。」


ちょ、それは図書館利用者に向けて言っていい事じゃないと思うぞ。


「今の人たちは、自分の国で焚書されたことさえ知らない人ばかりだというのに。」


「そうなんですね。」


「安い給料で、高い税金を払うために、ひたすらカネを稼ぐことに意識が向いていて、“本当の歴史を知って何になる?”っていう人ばかりだよ。」


「ところで、9000年より以前に発行された本は、どこにありますかね。」


「あんたも、なかなか芯があるね。あるとしたら・・・王立図書館か・・・」


「王立図書館で焚書されてない物があるんですか?」


「微妙だね。王立図書館というより、シーデリア王が私蔵している本の中にはあるだろうけど。」


王立図書館も望み薄か・・・


「全く当てがないなんて、残念です。」


「いや、もしかすると・・・」


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