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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第9章 王都中央市街地(後編)
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第3話 命の恩人の扱い

「初めからグラーシュ一行だけで、何とかなるとわかっていたら、公爵も報酬を負担したかもしれませんね。」


「そうすると・・・」


「当然、報酬額は減ります。でも、きっと、貴族にしてもらえますよ。もちろん、自分の派閥に入れって迫ってくるでしょうけど。」


だろうな。


その意味では、今回の仕事は、報酬多め・しがらみ少な目・立場無しってトッピングだった訳か。


自由に旅をしたい俺としては、運が良かったな。



貴族は・・・必要になったら取るとしよう。


「リーチ伯爵、すいませんが、数日泊めて頂けますか?」


「構いません。いっそ、このまま住んでもらっても大丈夫ですよ!」


俺のお願いを、あっさり飲んでくれたのは嬉しいけど、それに乗じて本音を言ったな?


「気持ちだけ有難くいただきます!」


すかさず、グラーシュがきっぱりと断った。


それを聞いたリーチ伯爵は、げんなりしてしまった。


伯爵も命の恩人には強く出れないか。


にしても、グラーシュ、手加減無いな・・・。



「朝食の準備が整いました。」


執事さん、ナイスタイミング!


馬屋を後にして、本館に移動した。


・・・


純白のテーブルクロスに大仰な料理が並んでいた。


おいおい、朝食だぞ。


なんとしても、グラーシュを引き込みたいって事なのか・・・。


「今日は、図書館巡りですか?」


リーチ伯爵が口を開いた。


「巡れるか分かりませんけど、とりあえず、都立図書館に行こうかと・・・都立図書館までは、歩いていける距離ですか?」


「まさか。馬車を出しますよ。」


おいおい、聞いているのは俺だ、俺に答えろよ!


「ありがとうございます。」


「グラーシュ殿、気にしないでください。」


おい、リーチ、ぶっ飛ばすぞ。


話してるのは、俺だ。


俺とグラーシュは対等なんだぞ。


従者って事にしてるけど。


なんなら、俺はグラーシュを呼び捨てにしていて、グラーシュは俺を様付である事実から目を逸らすな!


じゃない。耳か。


ホント、人って見たいように見て、聞きたいように聞いて・・・。


見たくない物は見えないことに、聞きたくない事はきこえなかったことにするよな~。


美味しいと感じてた料理も、いつしか味がよく分からなくなってきた。


こんな事で取り乱すなんて・・・


まだまだ俺も未熟だな。


おじいさんと先生からは、最強だって言われてるけど。


こんなんじゃ、心も最強を目指さないとバランスが取れない!っとかって、怒られるんだろうな。



食事が終わるころ、メイドが独り部屋に入ってきた。


「馬車の用意が出来ました。」


は?


こういうところは、貴族の凄さを感じるわ。


「私も行きます!」


「へ?」


リーチ伯爵の宣言に驚いて声を出してしまった。


「何か不満なことが?・・・グラーシュ殿、初めての都立図書館では使い方など、分からない事もあるでしょう。私が案内します。」


グラーシュ殿じゃないだろ!って、もういいや。


「ありがとうございます。部屋に戻って用意が出来たら表に出ますね。」


そう言って自室に戻った。


アルディとエレナに待機を命じて、あとはリーチ伯爵に促されるまま馬車で都立図書館に向かった。


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