表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第8章 王都中央市街地(前編)
268/475

第28話 伯爵邸の夜

リーチ伯爵は膝から崩れて、椅子に腰かけた。


ここで、命の恩人に対してゴリ押しするタイプだったら、もう関係を切ろうと思ったが、少しは話ができるようだ。


「シーデリアを一回りしたら、私と契約を結んでください。」


「条件次第ですね。もっと好条件が提示できるように、伯爵のご活躍とリーチ家の繁栄をお祈りします。」


「はい・・・。」


リーチ伯爵としては、今回の連隊の全滅と、グラーシュ一行からの拒否・・・ネガティブになる出来事が続いているだろうけど・・・。


こればかりはリーチ伯爵自身が乗り越えなければならない話だ。


結局、無自覚に誰かに依存して苦難から脱却したのでは、その後の苦難で自ら立ち上がることはできないからね。


せめて、他人への依存部分を的確に自覚した上で、活用して苦難を克服しているならば、まだいいのだけど。


一番いいのは、自らの力で、様々なことからヒントを得て克服することだ。


・・・


用意された料理もおいしく頂き、用意された部屋に移った。


流石は伯爵。


全員に個室を用意してくれた。


しかし、俺とグラーシュは、やることがある。


いや・・・、やる訳ではないんだけど・・・。


「グラーシュ、寝る準備が出来たら俺の部屋に来てね。」


「はい。」


・・・


・・・・・


俺が自室のシャワーを浴びて、明日の出発準備も済ませた頃、ドアをノックする音が聞こえた。


そっと開けるとグラーシュが立っていた。


「入って。」


「はい。」



グラーシュが部屋に入るなり鍵をかけて、アルディとエレナに警戒に当たる様に指示を出した。


何も起こる訳はないが、“念のため”だ。



「さて、グラーシュ、ここに魔導書とスキル本が1冊ずつある訳だけど・・・どうする?」


「両方やります!」


鼻息荒いな。


分かっている。


もちろん両方やるよ。


「どっちからがいい?」


・・・


「鑑定眼【軍】にします!」


そう言うと、グラーシュは勢いよく胸元を開けた。


おっぱいが躍り出てきそうだ。


「ちょっ・・・ちょっと待った!落ち着いて!」


「え?どうしました?」


「どうしましたじゃない、ちゃんと読んでからだよ。もしかすると別の方法で習得するかもしれないじゃないか。」


「あ・・・すいません。」


思い切りが良いのは、根っからの格闘家だからなのか?


「はい、どうぞ。」


俺が差し出すとグラーシュは受取り、俺のベッドに横になって枕元の灯りで読み始めた。


え?


俺は寝て待とうと思ったのに、先に入り込むかね。



「グラーシュ?」


「あ、すいません、お休みになってお待ちください。」


そう言うと、グラーシュはベッドの奥に移動し、手前を空けてくれた。


は?


グラーシュと一緒のベッドに入って、俺がお休みになれると思っていらっしゃるんですか?


そんなことは断じて無理です。


グラーシュをチラッと見ると、既に集中して本を読み始めていた。


ですよね~。


興奮しているのは俺だけで、おバカさん丸出しですね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ