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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第8章 王都中央市街地(前編)
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第27話 伯爵からの提案

せっかく話を切り替えたのに・・・。


リーチ伯爵は、まだまだネガティブにどっぷり嵌まってしまっているってことか。


一方的に、こちらから努めてポジティブにしようとしても、なかなか難しいな。


「まぁ、良いじゃないですか。エルフの5つの集落からゴブリンとオーガは居なくなり、無事に集落は奪還できたわけだし。」


「あーっ!そうでした!!」


「え?」


「エルフからの連絡を聞けば、どうしても時系列が合わなくて・・・。」


「時系列?」


「そうです!私がグラーシュ殿と王都に戻っている間に奪還を始めましたよね?」


やば・・・


「あれ?そうなります?」


「エルフ側からの公式な殲滅完了日と、私が王都に戻った日から考えると、そう考えるのが自然なんですよ。」


村長・・・上手くやってくれたんじゃなかったのか。


「1日に1拠点だとしても成り立たないし・・・グラーシュ殿が戦場に戻った日に陥落してますよね?という事は・・・」


「エルフ側の記録に間違いがあったかもしれないですね~。」


「そんな・・・・そういう事にしておきますか。ただ、私が気付くぐらいだから、他にこの事実に気が付く貴族は居ると思いますよ。」


「そうですか。気づいた貴族は躍起になって探す?」


「どうですかね。顔が割れているわけではないですから。貴族の集まりに挨拶に行くとかしなければ、平穏なんじゃないでしょうか。ただ・・・」


「ただ?」


「私には顔が割れていますので。」


そう言うと、リーチ伯爵は、不敵な笑みを浮かべた。


ふふふ。


俺も不敵な笑みを返しておいた。


なにせ、俺は既にこの世界で生きる力を得ているからね。


貴族に屈する必要は無い。



「そこで、提案があります。」


リーチ伯爵が唐突に話を切り替えた。


「何ですか?」


「リーチ家の専属になりませんか?」


「専属?」


「はい。護衛が主な任務になりますが、採集や狩猟、討伐などに当たってもらうこともあります。」


グラーシュは決めかねて、俺を見てきた。


俺の答えは当然NO!


だから、躊躇なく首を振った。


それを見たグラーシュが力強く返事をした。


「お断りします。」


「え?・・・報酬は弾みますよ!」


お!


今後の相場感を養うためにも、報酬は気になるなぁ。


参考までに・・・。


「どのくらいですか?」


俺が質問をするや否や、脈有りと勘違いしたのか、リーチ伯爵の目に力が入った。


「基本報酬が年間10,000Gで、それに個別の案件ごとに成功報酬です。」


ん?


悪くないんじゃないか?


いや・・そうか!


アルディとエレナは召喚された存在だと思ってないだろうから、前世換算で、4人で山分けして、1人当たり年収2500万円か。


実際は、俺とグラーシュだから、1人当たり5000万円・・・悪くない・・・ような気がする。


でも・・・。


グラーシュに首を振って見せた。


「お断りします。」


突然リーチ伯爵は立ち上がった。


「どうしてですか?悪くない条件だと思いますよ。」


興奮するな、おっさん!


貴族っぽく立ち振る舞いを忘れるな。


いや、これが貴族らしい立ち振る舞いなのかもしれないな。


札束で納得させる感じ・・・。


グラーシュに俺の考えていることをすべて話している訳じゃないから、ここは俺が答えるとするか。


「私たちは、まだまだ未熟で、このシーデリアの事でさえも、まるで知りません。当分は旅をして見分を広げる予定です。」


グラーシュも俺の発言に合わせて力強く頷いてくれた。


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