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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第8章 王都中央市街地(前編)
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第22話 老舗の境遇

顔が頑固おやじに戻った。


ちゃんと話してくれそうな雰囲気だ。


「ここまで来てくれたってのに悪いが、この界隈には居ない。」


「どこに?」


「近くにバカでかい、武具から馬具から道具まで、なんでもござれの量販店があっただろ?」


「はい。」


「アレを立てるために、ボルカールの店も邪魔だって言われて、追い出されちまったのさ。」


「強制的にですか?」


・・・


「あんなもの・・・強制としか言えない。」


「気の弱い店主から順に買収して・・・」


「カネが支払われないから、引き渡しに応じて引っ越した連中が、早く払えって声を上げたら、まだ予定地全ての買収が済んでいない!って突っ撥ねられたらしい。」


「売った奴も売った奴だ。寄ってたかって、買収に応じない連中を吊るし上げて、嫌がらせまでする始末だ。」


「そんなの、出ていくしかないだろ?」


「いったい、どうなっちまったんだ。この王都は!この国は!」


・・・


「え?あの量販店、公立なんですか?」


「すまん、力が入っちまった。あの量販店は私立だ。どこの馬の骨ともわからねぇ金持ちがいきなりやって来て、買い漁り始めたんだ。ただ、それを王都も国も見逃したんだよ。」


「で、あの量販店が開業してから、申し訳程度の調査したり、法律を作って・・・。そんなことじゃ、一流の老舗は守れねぇってのに・・・。」


そういうことか。


で、それにボルカールも巻き込まれたんか。


「ボルカールさんは最後まで残った側ですか?」


「そうだ。でも、札束で引っぱたかれて、追い出されたのさ。ひでぇ話だ。」


「で、今は?」


「バカバカしくてこんなところに居られるかって、出て行っちまった。」


「引っ越し先は御存じですか?」


「あぁ、そうだったな。すまんすまん。確かミーヴに行ったはずだ。」


「ミーヴですか・・・。」


「あそこはこの国で一番の港町だから、異国人なら本物が分かるだろうってさ。」


「そうでしたか、住所って分かりますか?」


「そこまでは聞いてねぇ。あいつのことだから、ミーヴの中で転々としながら水の合うところを見つけてから、店開いてるんじゃないか。」


「何しろ、この国の鍛冶屋なら知らないやつはいない名匠だからな。どこに行っても何とかなってると思うぞ。」


「わかりました。ミーヴを楽しみながら探してみます。」


「おう、そうしてくれ。・・・その前に、何か買ってけ!」


「あ、すいません・・・そしたら・・・」


「水属性の杖ありますか?」


「なんだ?にいちゃん、買う気あるのか?嫌がらせのように変な物を言い出しやがって。」


「無いですか?」


「あのなぁ、水属性ってのは攻撃に向かねぇんだ。それを武具屋で探すなんて・・・。おまえみたいな客は、早くボルカールんところに行っちまえ。」


「ははは、そうします。貴重な情報ありがとうございました。」


「はいはい、また来てな。」




なんだかボルカールに会うのが楽しみになってきた。


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