第21話 老舗の武器屋
続いてショッピングモールの様な量販店の近くにある老舗の武具屋に入ってみた。
「いらっしゃい。」
オヤジが出てきた。
ねじり鉢巻きにタンクトップ、ハーパンにサンダルの出で立ち・・・。
手は・・・熊みたいな手をしているじゃん。
これは・・・頑固オヤジでしょ。
店内は、小ざっぱりとして、商品も多くない。
値段は、どれも高い・・・ような気がする。
直前に5,000G支払っているから、金銭感覚がバグっちゃったな、こりゃあ。
それでも、一振り100Gの打ち刀まであるから、ここは高級路線・・・というか、本物路線なんだろう。
一部の高級武具には、値札に【要登録】という文字のあるものもある。
【要登録】は、それぞれの商品群の一部の高額商品に付けられている・・・。
「すいません、この【要登録】ってのはどういう物でしょうか。いずれも一級品についているように見えますが・・・。」
「あぁ、それはうちの店で購入者の登録させてもらうってことだ。」
一級品だけは購入した後に店に登録する・・・。
「ん-、勝った人からしか修理や補修を請けないってことですか?」
「若いのに、察しがいいな、兄ちゃん。」
「それ、購入の時に、説明するんですよね?」
「まぁな。兄ちゃんくらい察しの良い奴か、惚れ込んで絶対に自分が死ぬまで使うって奴にしか、一級品は売らねぇから。あんまり説明した試しが無いけどな。」
徹底してるな。
「棒手裏剣って、有りますか?」
「馬鹿言うな、投げて終わりの商品なんて、置く訳ねぇだろ!!」
「そうですよね。そしたら、格闘家が剣士と戦うためのガントレットってあります?」
「さっきから、なかなかニッチな物探しているな。」
「えぇ、この子が格闘術使うんですけどね。対剣士で武器を捌けるような物を探していて。」
そう言って、グラーシュの背中を押して前に出した。
「手で捌いてどう戦うんだ?」
「この子、足技が得意なので、蹴り倒しますよ。」
頑固オヤジは視線を落とす。
「おぉぉ!」
そりゃあ、興奮するよな。
グラーシュの御美足、たまらんもんね。
「こりゃ、すごいな」
すごいよ、すごいけども。
どんだけ、じろじろ見るんだ、このエロオヤジは!
「これは・・・ボルカールのじゃないか!」
「は?おじさん、ボルカール知ってるの?」
「知ってるも何も、ずいぶん長い事、一緒に仕事してたからなぁ。」
「俺たち、そのボルカールさんを探してるんですよ。」
「なんだ、そうだったのか・・・。」
「しかし、ボルカールが格闘術用のブーツを作っていたなんて・・・。まぁ、何でも作れたから、作っていても不思議じゃねぇが・・・。」
「でもなんだって、ボルカールを探してるんだ?」
「このブーツ、あまりにもゴツいからもう少し普段使いできるようにしてもらうってのと、靴擦れができちゃうのでその調整です。」
「靴擦れはいけねぇな。どこなんだい?」
グラーシュが見せようとするのを俺は静止した。
見えるからだ。
見せたくないからだ。
そして、頑固オヤジの鼻の下が伸びて、鼻息が荒いのも気が付いたからだ。
「その点はお気遣いなく。ボルカールさんがこだわってこの子に作った逸品なので、ボルカールさんに診てもらいますから。」
「そ・・・そう・・だな。それがいい。」
「で、そのボルカールさんは?」




