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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第8章 王都中央市街地(前編)
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第18話 転移魔法の仕組み

「すいません。おじいさん、お名前は・・・」


「こりゃあ失礼しました。タカエモンと申します。」


見ると、耳が長く、折れ曲がってはいるが先は尖っている。


これは・・・もしや・・・。


「ご出身はマイール山ですか?」


「ほほほ、違います。私はルーロック山です。」


「そうでしたか、すいません。最近までマイール山に居たので、ついそうかなと。」


「ほぉ、最近までマイール山に。それは大変でしたね。たしか・・・帰ってこれたのは、べっぴんさんの御一行と聞きましたが・・・」


やばい、このおじいさん、キレるぞ。


「へぇ。グラーシュは他に類を見ない美人だと思っていましたが、王都に入ってびっくりしました。王都は美人さんが多いですよね~。」


「ほほほ。」


「そんなことより、転移魔法について、グラーシュに概要だけでもいいので教えてください。」


「そうでしたな。では、始めますか。」


「はい!」



「転移魔法は、マナを使って、ある空間からある空間に物を移す魔法です。」


「転移の対象は、物でも人でも動物でも魔物でも、なんでも大丈夫です。もちろん対象の種類や大きさや量や重さによって消費するマナの量が変わります。」


「転移は複数のポイントに転移対象を移す魔法ですから、そのポイントに魔法陣が必要になります。よくある例といえば・・・小さな袋から大きな道具を出し入れするケースですな。」


「この場合、準備として、袋の内側に転移ポイントとなる魔法陣を書いておき、同じように、転移先、多くの場合が自宅の倉庫内の床に魔法陣を書いておきます。」


「これで準備万端。あとは、送るときには送りたいものを魔法陣に押し当てれば、マナが消費されて転移先に飛ばせます。」


「倉庫の魔法陣に置いてあるものを取り出したいときは、袋の中の魔法陣に手を当てれば取り出せます。」



「なるほど・・・サイズは?」


「はじめは自分の手でつかめるものをお勧めしますが、慣れてくれば、倉庫の魔法陣に置かれたものを、魔法陣を施した小袋無しで、瞬時に魔法陣を展開して、こっちに転移させることができます。」


「転送する際も、慣れてくれば小袋不要になりますし、マナさえあれば、サイズも問いません。」


「ただ、慣れても小袋を使っていた方が、補助されるので、マナの消費を抑えられますし、速いから、使い続ける方が多いですね。」


「魔法陣を施した小袋を盗まれたとしても、他人に使われることはありません。施されている魔法陣が人それぞれ違いますからね。」


「そして、倉庫だけではなく、金庫にも魔法陣を施せば普段大金を持ち歩かなくても済むという事になります。身軽ですし、スリにあっても、魔法陣を駆使できなければ、転移先から盗まれることもありません。」



この世界の“転移魔法”はそういう仕組みだったのか。


「という事は、より大きなものやたくさんの物を転移させる魔法使いは・・・。」


「大きな屋敷や倉庫を持った魔法使いという事ですね。」


つまり、高額な魔導書が購入できて、転移魔法が駆使できるのは、ただの魔法使いじゃなくて“名家”って推測できるのか。


それでもって、俺がレーゼン侯爵領の金貨を出したから、ここの店員の態度が一気に変わったって訳か。


なんだか、ちょっと悲しくなるほど現金な世界だな。



「っと、こんな説明でよろしかったかな?」


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