第13話 2度目の魔導書利用
グラーシュが胸元を大きく開けて目を閉じている。
「じゃあ、挿れるよ。」
「はい・・・」
あ・・・、ダメだわ。
これ、回数を重ねると慣れるって話じゃないわ。
これはそういう類の刺激じゃないんだわ。
煩悩にダイレクトアタックしてくる。
なんなら、回数を重ねると、誤解が重なって・・・「もういいんじゃないか」って・・・。
やばい、どうかなりそうだ。
そっと押し当てた本は光り始め、ゆっくりとグラーシュの中に入っていく。
「うっ・・・」
漏れるグラーシュの声が・・・。
少し悶える感じが・・・やば。
入り切ったところで、膝から崩れるグラーシュ。
慌てて抱き寄せた。
毎回こんな感じで倒れるの?
今回はコモン魔法よ?
「失礼しまーす。」
ドアの向こうから声がした。
え?
あ!
配膳の時間か。
「ちょっと待ってくださーい。」
慌てて、グラーシュをソファに寝かせて、部屋の入口のカギを開けた。
「すいません、配膳に伺いました。今から用意してもよろしいでしょうか?」
「あ、どうぞ。よろしくお願いします。」
そう言ってグラーシュのもとに駆け寄って起こした。
この配膳を見せてあげないと、後で怒られると思ったからだ。
グラーシュが目を開けた。
「配膳始まるけど、見る?」
「え・・・はい!見ます!」
そう言うとグラーシュは飛び起きて、見学し始めた。
気になる事は熱心に質問までしていた。
ホテルの配膳担当者も、“お客様からの質問”だから無下にできず、丁寧に応対している。
グラーシュは、いい勉強をしているね。
あの積極的に吸収しようとする姿は、見ているこちらの気分が良くなるレベルだ。
懸命な姿は、胸を打つわ。
・・・
・・・・・
突き出し、前菜、スープ、魚料理、口直し、肉料理、サラダ、チーズ、甘いお菓子とフルーツ、コーヒーと小菓子・・・
まさにフルコース。
給仕が近くに控え、タイミング良く丁寧な対応をしてくれるもんだから、気兼ねなく、ゆっくりと美味しい料理を愉しめた。
グラーシュが一緒に食べてくれたのも、相まって、最高に贅沢なディナーだった。
「グラーシュ、いつもありがとうね。」
不意を突かれたのか、グラーシュは照れくさそうにしていた。
たまにしている野営だって、それはそれで良いんだけどね。
たんまり成功報酬を頂けたことですし・・・。
今後も野営したり、贅沢したりしつつ、頑張りますか~。
贅沢な食事の時間が済み、ルームサービスのマッサージをお願いした。
食事の片付けが済むと、女性スタッフが2名入ってきた。
ベッドに移動してマッサージが始まった。
優しい匂いのお香に、柔らかくて暖かい手で全身隈なく揉み解されて・・・。
あ、ダメだ。
寝て・・・しま・・・。




