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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第7章 エルフの村
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第1話 凱旋

ケイコの集落に到着した。


入口の衛兵は、グラーシュに警戒していた。


俺が仲間だと紹介して、仲間であることは分かってくれたようだが、警戒を解いてくれない。


露出が多く、目立つ武器を持たない美人は冒険者に見えないようで、どのように評価したらよいか分からないみたいだ。


しかし、これに対し、ケイコが黙ってはいなかった。


“だいすきなおねぇちゃん”に向けられた不信感で、怒り心頭の御様子だ。


ひたすら「助けてくれたグラーシュおねぇちゃん」を連呼。


そのおかげで、衛兵も折れてくれた。


幼子のわがままってだけじゃない、ケイコのこの集落での信頼のなせる業なのだろう。



集落に入ると、ストークから飛び降りて、ケイコは家に走っていった。


ケイコの後姿を見て、ふと思った。


なんでケイコはこんなにグラーシュに懐いているんだ?


「グラーシュ、ケイコと何があったの?どうして魔法が使えるようになったの?」


「え?ケイコ、魔法使えなかったんですか?」


「知らなかったの?」


「知りませんでした。」


「俺がアルディと合流するために出発した後、何かした?」


「特別なことは何も・・・。」


おかしい・・・。


時間が解決したのか?


そういうこともあるだろうけど・・・それではグラーシュに懐く理由にならない。


なんだ?




とりあえず、追いかけてケイコの家に着いた。


「ただいまー。」


「お帰り~。」


ケイコとおばあちゃんの熱い抱擁。


おばあちゃんは涙を浮かべて喜んでいる。


「大活躍だったの!」


「そうかいそうかい。」


祖母と孫の再開の邪魔できないから、一旦離れて待つことにした。



少し経つとケイコが出て来て、グラーシュに飛びついた。


胸に顔をうずめている。


くーっ、羨ましい!子供の特権か・・・。


「おばあちゃんが、お茶でもどうぞって」


満面の笑みでこちらに向けて、お茶に呼んでくれた。


そして、また顔をうずめている。


・・・


あ!・・・


それか!?



「グラーシュ、城門への攻撃前にケイコと何かした?」


「え?・・・攻撃前ですか?」


「今みたいに、ケイコを抱きしめてあげたとか。」


「はい、直前まで震えていたので、抱きしめてあげました。」


「そうですか・・・」


「何か・・・まずかったですか?」


「いや、グラーシュは良い事をしました。」


「良かったぁ。」


攻撃前にグラーシュに抱きしめて貰えるなら、なんぼでも攻撃・・・


じゃない!


何がきっかけで怖い事を克服できるか・・・。


何がきっかけで前を向けるか・・・


人によって人それぞれだけど、ケイコは、グラーシュの“大きな胸でギュー”がスイッチだったのだろう。


今も人目を気にせず、満喫しているもんな~。


「ケイコ、それ、良い?」


「イイッ!!」


ははは、素直で宜しい。


俺も次凹んだら、グラーシュにお願いしようかな。


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