第7話 掃討と奪還のために再出発
集合出来たのは夕方だった。
「なんだよ、ケイコ。俺らの事を煽っていた割に、遅かったじゃないか!」
おばあちゃんの説得に手間取ったな?
「おばあちゃんが、“そんなこと言って戦うんでしょ!!”って折れなかったのよ。」
「ははは、そりゃそうだろ。ちょっと考えれば、そのくらいのことは考え付くからな。」
「え?」
「は?」
「攻めるの?」
「ケイコ、何言ってるの?南から全部落とすに決まってるじゃん!」
「えー!?」
素のリアクションしてるじゃん。
「まじかよ、ケイコ、気が付かなかったのか?」
「だって、偵察って言ったじゃん!次の王都軍側の作戦のための情報収集だって言ったじゃん!」
「言ったよ。そういう“方便”だった訳じゃん。あの話の流れで言えば、分かるでしょ?」
「そんなの分かんないよ!」
かーっ、予想外過ぎる!
「OK そしたら、最後の確認だ。ケイコ、一緒に“落としに”行くかい?」
「行くーっ!!」
そんでもって、来るんかい。
まぁいいや。
「よろしくね。」
「うん。」
「作戦は道中で話すから、このまま出発でいいかい?」
「うん。」
まずは、グラーシュを探す。
随分離れてしまっただろうから、見つけるのに時間がかかりそうだ。
どの辺に居るか見当もつかない。
アタリのつけようがないから、出来るだけ多くの光の粒子を王都方面に散開させてみた。
しかし、杞憂に終わった
グラーシュの居場所は、すぐに見つかった。
俺の想像していた地点よりも、随分と王都に近い場所にいる。
ただ、グラーシュは、リーチ伯爵と一緒だが、それ以外の姿は見えなかった。
殺された?
嫌なことを考えるのは止めよう。
多分、ストークとエラムの速度に付いて来れていないだけだろう。
続けて、ホログラフィーでメッセージを送る。
内容は・・・。
王都の南の市街地に到着したら、“南の英傑”にてリーチ伯爵をエラムから降ろし、エラムはそのまま南の英傑に預ける。
自分の分の食料を調達して、第1部隊の攻略対象の作戦本部周辺まで来て欲しい。
到着したら、光の障壁を発動させてみて。
グラーシュにもエルフを助けて貰わないといけないからね。
よし!送信!
「さて、今後の行動計画を伝えます。」
「「御意。」」
「5つの集落に住み着いたゴブリンとオーガの掃討と、集落の奪還です。」
「ゴブリンとオーガは皆殺しにします。」
ケイコが、ぶるっと身震いを見せた。
まだ覚悟ができていないのだろう。
「順番は、一番南の集落、南から2番目の集落、北から2番目の集落、一番北の集落、最後に真ん中の集落です。」
「1日1集落のペースで落とし、最終地点はグラーシュの合流を待って、全員揃って攻略します。」
「ケイコ、道案内宜しく。」
「うん。」
「ただし、集落の3キロくらい手前で、集落を見渡せる小高い丘のような場所があれば、そこに案内してね。」
「うん。」
・・・
・・・・・
先行するのは、前からケイコとアルディの乗ったネロアで、エレナと俺の乗ったオルフが続く。
飛ばしに飛ばして、夜には、1つ目のターゲットである集落の見える丘に到着した。
「で、これからどうするの?」
ケイコが質問してきた。