第3話 ゴブリンとオーガの謎
何?・・・この間。
「今はミーヴの魔法学校に通うために、山を下りています。」
「そうでしたか。」
もー、ドキドキするから、スッと答えてよ。
もしかして、このおばあさん、魔法の事も知っているのかな。
・・・
「あのぉ、お礼をしたいと思っているんですが・・・、見てのとおりお渡しして喜んでいただけそうなものがありませんで・・・。」
おばあさんが申し訳なさそうに、切り出してきた。
「いえいえ、お礼が欲しくてしたわけじゃないので、お気になさらず。」
「そう言っていただけると助かります。」
「ただ、その代わりって訳じゃないですけど、ちょっと教えてもらいたいことが有りまして・・・いいですか?」
「分かる事なら何でもお答えします。」
よし!
まずは、今回のエルフ側の作戦だ!
エルフの最前線の村で、少女であるケイコまで参加することになって、それを見送ったおばあさんなら、エルフ側の作戦を色々知ってるでしょ。
「その前に・・・。」
「どうしました?」
「いえ、ケイコの命の恩人のお名前を頂きたいと思いまして・・・。」
あ、いけね。
「申し遅れました。私がルランで、こっちがアルディ、で、エレナです。」
「ルラン様、この度は孫のケイコをお救い下さりありがとうございました。」
おばあさんが、深々とお辞儀をしてくれた。
それを見て、ケイコもお辞儀をしてくれた。
「そんなこといいですから!で、早速で申し訳ないですけど、私たちは、ゴブリンとオーガの掃討および集落の奪還に参加していました。」
「はぁ、それでケイコを・・・。」
「ははは、で、今回のゴブリンとオーガについて詳しい事を聞いてないので、教えてもらえますか?」
「え?・・・えぇ。」
「ゴブリンとオーガは突然現れて、突然エルフの集落を襲ったのですか?」
「はい。ゴブリンとオーガがどうして出現したのか不明と聞いています・・・。」
「ん?何か?」
「かなり妙なんですよ。ゴブリンやオーガは土属性の妖精です。その意味ではどこに居てもおかしくないですけど。」
「何か気になることが?」
「はい。ここマイール山は水の精霊の聖地です。その場所で、土属性の妖精が同時に多数で出現して襲い掛かってくるなんて・・・、考え難いんです。」
「なるほど。」
偶然でなければ、人為的にって事になりそうだ・・・考えたくはないが。
「土属性は水属性に強いですから、この地の精霊の力を借りても、対応するのに苦労します。」
敢えて水属性に強い土属性のゴブリンとオーガって考えると、その意図が気になるなぁ。
「その土属性で、しかも繁殖力の強いゴブリンが、一定規模を超えてしまうと、もう手に負えなくなってしまいます。」
「うーん。」
「それに、繁殖力はゴブリンほどではないものの、スタミナやパワーでゴブリンを上回るオーガまで居ると、ゴブリンへの対応に穴が開いてしまって・・・。」
水属性の聖地を襲う絶妙な組み合わせで、規模も絶妙となると・・・
でも、どうして・・・。
おばあさんの知らないことを追究しても仕方ないか。
「ケイコが参加した理由は?」