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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第6章 特別掃討奪還連隊参加(後編)
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第2話 初めてのエルフの集落

あっという間に戦線を離脱することができた。


なんだこの化け物じみた強さわ。


おじいさんや先生が普段口にしている“最強”は、嘘じゃないとよくわかった。


周囲に偵察用の光の粒子を展開して、安全を確認した。


よし、異常無し!


「一旦停止!」


俺の声とともにネロアとオルフが止まった。


エルフの少女は、アルディの背中で目をつぶってぶるぶる震えている。


「さて、お嬢さん。ひとまず安全なところに着きましたよ。」


少女は、目を開けて俺を見てくれた。


「助けたついでに、ちょっと教えてもらいたいんだけどいいかな?」


少女は頷いた。


「お名前は?」


「ケイコ」


「どこまで送ればいい?」


「この先の集落まで・・・」


「りょーかい。」



おいおい、助けたのにお礼の一言も無しか・・・。


まだ気が動転しているのかな。


まぁ、無理もないか。


一緒にいたエルフは、目の前で4人とも殺されてしまったようだし・・・



・・・


・・・・・


言われた通り進むと集落があった。


入口は、エルフの衛兵が10人で、厳重に警戒されていた。


幸いにも、入村料は取られなかった。


今、実質“文無し”なんだよね。


衛兵に、入村料よこせって言われたら、エルフの少女を助けたからって許して貰おうかと思ってたけど・・・。



エルフの少女はネロアから飛び降りて村の中に入って行ってしまった。


困ったな。


エルフたちの視線が痛い。


いやいや、少女を助けてきたのに。


「あんた、まさか真っすぐここに来たのか?」



あ、やば、


そうか、追手を気にしているのか。


でも、この状況下で嘘もつけないし・・・


「すいません、ほぼほぼ真っすぐここに来ました。」


俺の回答を聞いた瞬間、数人が集落の奥へ駆けて行った。


そうですよね。


で、残った方々は、剣や弓矢をこちらに向けてくれた。


やばいなぁ。



「いや~、本日はお日柄も良くて・・・」なんて、とぼけれる雰囲気じゃないし。


やたら背を向けるのも怖いし。


下手に動けないじゃん・・・。


アルディもエレナも黙っていて、口出しする気無さそうだし。



「おばあちゃん、早く!」


声のする方を見ると、老婆を連れてさっきの少女が小走りで来た。


「みんな待って、助けてくれたの。ゴブリンに囲まれて、みんな死んじゃったけど、その中から助け出してくれたの!」


「追手は?」



「居ない。速過ぎて、付いて来れる訳ない。おばあちゃんもなんか言って!」


「はいはい・・・。」



エルフの少女と老婆の説得により何とか事無きを得た。


お礼がしたいと言う老婆に導かれるまま、小さな家に入った。


「小さな家ですが、寛いでいってください。」


少女が不器用にお茶を入れて出してくれた。


「この子と、2人暮らしなもんで、大したものは出せませんが・・・」


そういうと、漬物と大福が出てきた。


「ご丁寧にありがとうございます。」


2人暮らしと言いつつ、おばあさんにも少女にも使えなさそうな大きな弓が壁に立てかけてある。


「あれは?」


「あれは、この子のお兄さんの物です。」


え?お兄さん?俺もしかして見殺しにして来ちゃった?


敢えて聞かないってのもあるけど、それだといつまでもモヤモヤしてしまう。


確認しないと、気になって仕方ない。



「お兄さんは今どちらに?」



「・・・」


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