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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第5章 特別掃討奪還連隊参加(前編)
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第18話 想定外の事実への対応

斥候の結果で作戦本部が騒然としているという事は、何か予想外の事実を知ったからだろう。


でも、まぁ、俺が考えても仕方ない。


俺が重要視している事と、この部隊で重要視されている事が違うってことが、ここまでの行軍でよくわかっている。


俺が偵察に出して新事実を知って出す結論と、この部隊の指揮官の出す結論は違うことが目に見えている。


そのギャップに苛立つぐらいなら、俺は偵察に出さずに、下りてくる指示を待った方が気が楽だ。


それに、そもそも、俺はここまでの“ぐだりっぷり”に呆れていたから、バカらしくて、戦場の偵察をする気にならない。


俺達は今回、“給仕”だし。


だから、テントに戻って、連絡を待つことにした。



「集合!集合―!」


テントから顔を差すと、大声を上げる軍服姿の男が見えた。


なんか、デジャヴだな。


きっと、ろくなことを言われないんだろう。


そう思いながら、集合場所に到着した。



「リーチ伯爵より、大切なお話がある!静粛に聞くように!」


口上を述べた男と入れ違いでリーチ伯爵が部隊の前に出た。



「斥候の結果、敵の数が予想よりも多いことが判明した。その数はおよそ2倍だ。」


2倍!?


当初の予想の精度が低すぎないか?


そりゃあ、作戦本部も騒然とするわけだわ。



「他の部隊の斥候結果とすり合わせた結果、他の4つの奪還対象も同様のものと考えられる。」


全然楽勝じゃないじゃん。



「しかし、エルフとの挟撃は明日未明と決まっている。予定通り攻撃を開始する。」


エルフ頼みか・・・。


もしかして、エルフって、物凄い強いのかな。


俺の読みが正しければ、マイール山は水属性だ。


ゴブリンとオーガが脅威と踏んで、王都に救援依頼を出すという事は・・・ゴブリンとオーガが土属性で、相性最悪だからなんじゃないか?


そんな立場のエルフに頼るって、大丈夫なのだろうか・・・。



「ただし、戦力の逐次投入はしない。作戦本部および後方支援以外の全てを投入して、総攻撃をかける!」


戦力の逐次投入をしないのは良いが・・・ずいぶん勇ましいな。


でも・・・、もうこれしかないのか。


士気を保つことも難しい。


いっそ、短期決戦で士気を爆発させて、一気呵成に掃討し奪還・・・か。



「速やかに、攻撃部隊は準備を済ませて、ここに集合し、指示を待て。以上、解散!」


雲行きが怪しくなってきたな。



敵軍は2倍、自軍はアッチ目的の女性も含めた編制で、しかもお互いに報酬を巡って闇討ちを画策し合っている・・・。


想像以上に圧倒的な不利、参加者は指揮官より現場の状況がよく見えている。


一致団結できる訳が無い。


もしかすると、作戦本部には何か秘策があるのかもしれないけど・・・。


・・・


・・・・・


第1部隊が準備を済ませて集合を済ませた頃、西と東で火の手が上がった。


先行する子爵の部隊が予定通り相当・奪還作戦を始めたようだ。



続けて、東隣と西隣の伯爵率いる部隊が動き始めたようだ。


「第1部隊、作戦行動開始!」


作戦本部に居るリーチ伯爵が、部隊先頭に居る軍服の男に指示を出した。


「いくぞぉぉぉ!」


「「おぉぉ!」」


勇ましい軍服の男の声に、部隊員が一斉に声を上げて出発していった。



秘策・・・あるよね?


俺達だけが知らされていない秘策・・・。


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