第4話 早起きは3文の得
周りが明るくなってきた。
「遅くなってすいません」
グラーシュが出てきた。
後にアルディもいる。
グラーシュは来るなり、エレナの方をチラチラ見ている。
「グラーシュ、チェックアウトありがとう。馬を受け取ってから紹介するからね。」
エレナに待機を命じて、馬を受け取りに行った。
無事に馬を引き取って、エレナをグラーシュに紹介した。
寝ぼけてて、召喚が夢の中の出来事だと思っていたらしい。
意識がはっきりしたときには俺が居なくて、支度を済ませ部屋の外に出たら、アルディが居たから話を少し聞いたとのことだった。
「今から集合場所に行ったら、時間が早すぎるから、公園でも見つけて時間を潰そう。」
周囲に光の粒子を展開すると、10分もあるけば、学校のグラウンドくらいの公園がある事が分かった。
「近くに公園がありそうだ。移動するよ。」
・・・
・・・・・
公園には川も流れているし、東屋も3つあった。
運よく、1つはまだ使われていなかったから、そこに移動した。
アルディとエレナに、馬たちに川で水分補給、雑草で食事をさせるようにお願いした。
「ルラン様は?」
ちょ、グラーシュ、近い・・・。
「昨日買った本を、読もうかなってね。昨日のうちに読もうかと思ってたのに、ついつい読み損ねちゃったからさ。」
「そうですか・・・。」
「グラーシュも、付き合ってくれる?分からないところあったら教えて欲しくて?」
「え?・・・絵本で分からないことですか?」
「ははは、いい?」
「はい。構いませんよ。」
購入した絵本は、“かみさまとせかい”、“大きなお山と小さなお山”。
2冊とも予備知識が全くないから、どっちから読むべきとか、拘りは全く無い。
んー、・・・“かみさまとせかい”にするか。
ゲートの中から取り出した。
えーっと、なになに~。
“かみさまとせかい”
かみさまは、だいちと、うみを、つくりました。
せいれいと、どうぶつが、なかよくくらす、だいちと、うみを、つくりました。
そこに、くにを、つくりました。
1人のおとこと、10にんのおんなに、まかせました。
ひとは、せいれいと、どうぶつと、きょうりょくして、おおくなりました。
かみさまは、よろこびました。
ひとは、せいれいと、どうぶつに、いじわるをするようになりました。
かみさまは、かなしみました。
かみさまは、いやになって、だいちをふやしました。
あたらしいだいちに、くにを、つくりました。
べつの、1人のおとこと、10にんのおんなに、まかせました。
かみさまは、ふたつのくにを、こうご、ながめるようになりました。
あたらしいだいちも、おなじように、ひとがいじわるをはじめました。
かみさまは、あきらめませんでした。
だいちをつくり、くにをつくりつづけました。
ひとつのだいちに、
ふたつのくにをつくったり、
みっつのくにをつくったり、
よっつのくにをつくったり、
いつつのくにをつくったり
かみさまは、がんばりました。
やがて、15のくにができました。
それでも、うまくいきませんでした。
かみさまは、つくることをやめました。
かみさまは、すべてのくにで、せいれいと、どうぶつと、ひとが、なかよくしてほしいと、ねがい、まいにち、ひとつずつ、ながめています。