第2話 闇の粒子で召喚
目が覚めた。
まだまだ暗い。
グラーシュは隣で寝ている。
今のうちに召喚するか・・・。
召喚しても、民宿の老夫婦から上手く目を盗んで、外に出せるだろうし・・・。
ただ、馬は無理だろうな。
サイズが違うから目立ちすぎる。
まず武将を召喚だ。
成功したら、グラーシュを起こして先に俺は民宿を出て・・・。
外で俺は馬を召喚し、二人のチェックアウトを待つ・・・っていう段取りにしよう。
さて、とにかくやってみますかね~。
呼び出す武将は決まっている。
ただ、呼び出した後に容姿をいじると、本人もショックを受けることがアルディの時に分かったから、今回は始めからアレンジする。
そうすれば、別の体に転生したって本人も納得できるからね。
俺がそうだったように。
誰も居ないこの部屋で召喚するんだし、グラーシュは寝ているんだから、サクッと念じて召喚しますか。
ん-っと・・・よし、イメージは出来た!
行くぞ!
「おはよう・・・ございます・・・」
「へ?」
グラーシュが起きてきた。
眼をこすりながら近づいてくる・・・。
ちょ、待て、なんて格好してるんだ!
全然体のサイズに会ってない下着姿ぁ・・・あ!!
やば!
邪念が入った!?
目の前に黒い球が現れて、徐々に人の形になっていく。
姿を現したのは・・・。
ナイスバディで、黒髪、白い素肌に黒いビキニアーマーの女武将だった。
しかも、身に付けている黒いビキニは、サイズが合ってない。
上下左右に、漏れ出ているし、ビキニというより下着っぽい形のような・・・。
後ろはT○ックだし・・・。
完全にグラーシュの素敵な横槍が差し込まれてますやん。
やらかした―!
「我が主よ・・・!?」
「いや、ごめん、そんなつもりじゃなかったんだけど、たまたま偶然、不慮の貰い事故があって、煩悩がさく裂して、でも、稀によく有るラッキーで・・・。」
「・・・」
「ホント、ごめん。お前のイメージは、これと全く逆なのに・・・。」
「その理解が主にあるならば、私はこれで全うします。」
“がはは、サイコーじゃ!!”
“クソジジイ!良くないわよ!!”
頭の中で、2人の声が響いたような気がした。
これで☆の数が劣るおじいさんが、サイコーって言うなら、これでいいか。
ってか、先生、ちゃんと☆くれるよね。
もういいや。
召喚し直した時に、性格とかに変な影響が及んだりしても嫌だし・・・。
とりあえず、長い丈のローブを闇の粒子で成形し、着せた。
「武器は何が良い?」
「槍を。」
ちょっとアレンジして、同じく闇の粒子でハルバードを成形して見せた。
「これはどう?」
「有難く。」
「弓は?」
「どちらでも」
「そしたら、ちょっと保留ね。まだうまく作れないんだ。ごめんね。」
ふとグラーシュを見ると、まだ寝ぼけている様子だ。
ポカーンとこちらを見ていた。
まぁ、良いか。
「名前は・・・エレナ・マキシフェルトで、いいかい?」
「御意。」
「御意は止めて!見た目に合わないから。それと俺はレウラント・リフィンスターね。普段はルランでいいよ。」
「分かりました。」
「グラーシュ、俺とエレナは先に出るよ。外で戦馬を召喚するから。」
「は・・・はい。」
「急がなくていいからね~。」
「はい。」
さてと・・・スニーキングミッションだ!
老夫婦に見つからないように、この民宿を脱出だ。
・・・
せっかく気合を入れたのに、何の苦労もなく外に出れた。
2人とも爆睡してるのかな。
歳を取ると朝は早くなるというのは、結局、個人差があるって事だね。
安易な決めつけは良くないって、よくわかりました。