第24話 新しい力の実践
目が覚めた。
夢の中から叩き起こされたのは、初めてかもしれない。
まだカーテンの隙間から光が差し込んでいない。
かなり早く起きれたようだ。
早速、自室で出来る事を試してみる。
1つ目は、光の粒子で分身作り。
念じるだけでOKって事だったから、自分の体を念じてみた。
目の前に光の球が現れ、徐々に光が落ち着き、分身が出来た。
光の粒子で、自分の体を召喚するって感じだ。
だから全裸だ。
一旦、分身を解くと、光の球になって俺の体の中に入った。
今度は普段俺が来ている服も一緒にイメージした。
分身成功!
次は分身を動かしてみた。
念じるだけで好きなように動く。
それだけではなく、カーテンを開けることをイメージしたら、歩いてカーテンに近づいて、カーテンを開けた。
つまり、自分の体に命令をすることもできることが分かった。
分身が見ている景色を脳裏に浮かべることもできる。
メチャクチャ便利やん。
おじいさん有難う。
次は、闇の粒子で分身作りだ。
光の粒子で分身を作った場合と同じだ。
不思議と、分身が見ている景色が俺の脳裏に浮かんだ。
これが不思議な理由は、闇の粒子を飛ばしても探索・偵察ができないはずなのに、分身体では出来たからだ。
なんでだろう。
闇の粒子を1つだけ飛ばしてみようか・・・。
脳裏に、爆散する東京都のイメージがよみがえった。
そうだった、闇の粒子は取扱注意だった。
何が起こるか分からないし、起きてからじゃどうにもならない。
やりたくても、先生に確認を取ってからだ。
1つだけだから大丈夫!って話が通じない可能性がある。
この部屋が吹き飛んだら、隣の部屋のグラーシュもただでは済まないだろう。
やった俺が吹き飛ぶのは自業自得としても、グラーシュを巻き込むわけにはいかない。
最後に、光の粒子でメッセージを送ってみる。
光の粒子を初めて飛ばした時、地面に向かって飛ばしても、地中の狙ったところに飛んで行った。
それを踏まえると、壁を隔てて隣で寝ているグラーシュにメッセージを送ることもできるだろう。
でも、驚いて大変な騒ぎになるのも困る。
反対隣りにいるアルディに飛ばすのが無難か・・・。
まず、アルディにこれからテストを行う旨の思念を送った。
すると、すぐにアルディから準備OKの思念が飛んできた。
そこで、手始めにアルディに敬礼をする俺の光の粒子のホログラフィーを飛ばす思念を送った後、ホログラフィー入りの光の球を飛ばした。
アルディから、無事に到着し、ジェスチャーもあったとの思念が飛んできた。
ここからは、応用だ。
俺の光の分身を作って、アルディの隣に立つように指示して、アルディの部屋に飛ばしてみた。
次の瞬間、俺の脳裏にアルディの部屋が浮かび、すぐ隣にアルディが見えた。
アルディに並んで立てたってことだ。
その状態を維持しながら、さっきアルディに送ったホログラフィー入りの光の球を送った。
光の分身体を通して、俺の敬礼するホログラフィーが見えた。
完璧だ。
連絡するだけならホログラフィーを送り、打合せをしたり送った先で活動するなら分身を送ればいいのか。
分身を飛ばせるってのは、ぶっ壊れ性能・・・というか、“チート”だな。
ってか、光の粒子はいきなり爆発ってことは無いみたいだから安心して応用ができるのに・・・。
闇の粒子はなんであんなハチャメチャなんだろう・・・。
そのうち分かる・・・かな。
ともあれ、これで、【白き理】☆7、【黒き理】☆7になる・・・。
おじいさんの☆の数競争も落ち着いてくれるはず。