第18話 初めてのギルド
調べはついたし、帰ろう。
関帝廟を出てグラーシュを見ると・・・おばちゃんたちに絡まれてた。
おばちゃん達は手に野菜やら、果物やら、色々持っているから、押し売りかな?
「はいはいはいはい、すいませんねー。」
強引に割り込んでエラムの手綱を握る。
「ルラン様!」
「グラーシュ、お待たせちゃって、ごめんね。さぁ、出るよ。」
「え、あ、はい。」
営業するなら、もうちょっと上手にやりましょうね。
おばちゃん達には悪いけど、押し売りさんは、相手にしてもらえないよ。
中には押し切られる人も居るだろうけど、一見さんは出来ても、常連にはなってくれんよ。
って、おばちゃん達を説教してもしょうがないからね。
逃げるが勝ち!
・・・
グアン村を出て、周囲に人が居ないことを確認して、アルディとネロアを召喚した。
「お疲れ様。察しが悪くてごめんね。」
「いえ、気になさらないでください。」
「ネロアも・・・」
いつも通りペロペロしてる。
ははは、気にしなくていいって事かな。
「とりあえず、南の市街地に戻って、今日の宿を探すよ。」
・・・
・・・・・
グラーシュが今夜泊まりたい宿を見つけてきた。
今夜は3人別々に個室で宿泊する、ビジネスホテルの様なところだった。
「チェックインして、辺りを散策しよう。」
「はい。」
速やかに、チェックインを済ませ、馬を預け、準備完了。
3頭の白馬は目立つことが分かったからね。
失敗から学んだことは実践せねば。
「この辺にギルドってあります?できれば、歩いて20分以内くらいのところにあれば嬉しいんだけど。」
受付にカギを預けるついでにヒアリングしてみた。
「ございます。」
・・・
受付の方から丁寧に場所を教えてもらった。
「いよいよ、ギルドの登録ですか?」
グラーシュが興奮気味だ。
「そうしたいところなんだけど、まずはギルドってどんな感じなのか知りたくてね。」
・・・
いざギルドへ!
1軒目は、幸いにも30m先にあった。
近くて助かったが、“農業ギルド”だった。
何事も勉強!
ってことで、入ってみた。
「いらっしゃいませー!」
制服の女性が受付の気持ちいい挨拶をしてくれた。
農業ギルドって言うから、床は土が付いていたりなのかなと勝手な想像をしていたのだけど・・・。
建物の中は、清掃が行き届き、ポスターも整然と張られていて、清潔な印象だ。
“募集”の掲示板には、依頼の紙が貼られている。
農作物の納品依頼だけかと思いきや、小作の募集、狩猟、害獣駆除、魔物退治、納品の護衛など様々だ。
ティオレスの話では、魔物退治は一般ギルドだったような。
「どんなご用件でしょうか?」
職員が話しかけてきた。