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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第4章 王都(南部)
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第10話 闇で成形

闇の粒子で作るのは、“ダガー”だ。


既に俺が脇に差しているダガーが不満という訳じゃない。


成形後に比較をするためというのと、試したことのない物は、まず自分で試すもんだと思ったからだ。



まずは、既に自分の中にストックされている木材から、闇の粒子と副産物として生まれるエネルギーの回収をイメージする。


用いる闇の粒子は、光の粒子でダガーを作った時のように、中空構造で成形してみよう。


比較のためにも、今腰についているダガーと全く同じサイズをイメージした。


俺の手のひらに黒い球が現れた。


そして、徐々にダガーの形に変化していく。


先生の言う通り、何の苦労もなく、念じるだけで、闇の粒子のダガーは出来た。


ただ、光の粒子で出来たダガーに比べるとずいぶん重い。


考えたとおり、中空構造で出来上がっている筈なのに。


さて、光の粒子のダガーは、光の粒子を加減することで伸び縮みができるが、闇のダガーは・・・。


同様にできた。


切れ味は?


回収後に残っている切株を利用して試し切りをしてみた。


どちらもよく切れる。


強いて言うなら、闇の粒子の方が切れる?


重さがあるから、振った時の勢いが付いているのかな?



2本を置いて、枝を手に持ち、枝を刃に当てて見た。


どちらもよく切れる・・・重さは関係ないみたいだ。



だとすると・・・どういうことだ?



切り口を比較してみた。


光のダガーによる切り口も、闇のダガーによる切り口も、たいして違いはない。


全く違いがわからない。



「困ったなぁ。」


「何を困ってらっしゃるんですか?」


帰り支度を済ませたグラーシュが戻ってきた。


両手で沢山の山菜を抱えている。


「ん?もしかして、保存食がそろそろ切れる?」


「はい・・・。」


「それも困ったな。」


「大丈夫です。やりくりしますから。」


「それはありがたい。」


でも、グラーシュのやりくりも限界がある。


今日が作業最終日かな。


明日には南の市街地に入るとしよう。



グラーシュが闇の粒子製のダガーを覗き込んできた。


「真っ黒ですね。何がどうなってるのか、ぱっと見、分からないくらい・・・。」


ん・・・そうか!!


ゲートを開いて同じサイズの木材を3本出してみた。



1本目は、そのまま地面に置いた。



2本目は、光のダガーを使って、真ん中で切ってみる。


切り口を合せて、1本目の隣に置いた。



3本目は、闇のダガーで、同じように切って、並べておいた。



「やっぱり!」


「何かわかったんですか?」


グラーシュも3本を見比べ始めた。


「ふふふ、分かる?3本の長さだよ。」


「長さ?・・・あ!これだけ短い!」


グラーシュは、闇のダガーで切った物を指差した。


「という事は・・・どういうことですか?」


グラーシュはまだ分かっていない様子だ。


無理もないか。


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