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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第4章 王都(南部)
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第8話 間伐の裏話

間伐作業をこなしているうちに、あっという間に1日が終わった。


縄が結ばれている間伐対象のうち、ノームが住み着いている物は放置し、ノームの居ない物を選んで伐採したから、思ったほど伐採本数は伸びなかった。


管理人は良かれと思って間伐対象を選んでいるのだろうけど・・・。


それは人間の都合で、精霊の思いとはかけ離れてしまっているってよくわかった。


何が良いかってのは相対的な話で、どの答えが正しいかって判断は難しいもんだね~。


今回は、不十分な管理をしている管理人の思惑よりも、生活をしているノームの思いを優先したけど・・・。


これが本当に正しい判断かは分からないわけで・・・。


「とにかく、本日の作業はここで終わり!帰るよ~。」


「はい。」


「御意。」



しっかし、ずいぶん集まったぞ。


何t分の木材がストックできているか・・・分からないくらいある。


この一部を闇の粒子に変えて、副産物のエネルギーを回収し、武将、戦馬を召喚して、武具、馬具を成形することになる。


それだとしても、使うのは、多くても木材1t分くらいじゃないかな。



いつでも木材を闇の粒子に変換できることを考えると、大量の闇の粒子がストックされてるようなもんだ。


おじいさんの事を気にする訳じゃないけど、光の粒子のストックが闇の粒子に比べると圧倒的に少ない。


なんかバランスが崩れていると不安になるわ。


明日は木材の回収の際に周囲の光の粒子も回収しよう。



宿泊先のログハウスに戻りながら、管理人棟に寄って一日の作業を報告した。


もちろん、敢えて切らなかった木とその理由を伝えた。


勝手なことして!ふざけるな!って怒られるかと思ったが、そうではなかった。


「間伐作業お疲れさまでした。ありがとうございました。」


ねぎらいの言葉と感謝の言葉が返ってきた。


「いやー、お恥ずかしい話なんですが、どの木を切るのが良いか、正直なところ、私には分からないですよね。」


「え?」


「ノームに好かれている木を伐採すると、恨みを買ってしまい、取り付かれて大変な目に遭うと聞いています。」


先日、ノームに取り付かれた人間を見た俺としては、それはよくわかる。


「実は、前任者も、ノームに取り付かれて、おかしくなってしまったんですよ。」


「・・・」


「私がそれを知ったのは、管理人になってからですが・・・。そんなこと知ってたら、管理人になんてなってないですよ。」


「・・・」


「ただ、管理人になってしまった手前、間伐を全くやってないと指摘されてクビにされても困りますし・・・」


「ひとまず、縄を縛り付けて、枯れたら伐採してました。」


返事のしようもないような話をペラペラと・・・まったく、とんでもない管理人だな。


それでも、自分ことは可愛いし・・・この人なりに工夫した結果なのか・・・。


まぁ、俺としては、木材を集めれるし、良しとするか。


「そうでしたか。色々と大変ですね。」


「いや~、ホント、助かります。」


「明日も有りますので、私たちはこの辺で失礼します。」


・・・


一日中スキルを使い続けたグラーシュはバテバテ。


俺も最後の管理人との会話のせいで、なんだか気疲れしてしまった。


元気なのはアルディだけだった。




アルディには馬の世話を依頼して、夕飯も食べずにベッドに倒れ込んだ。


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