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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第4章 王都(南部)
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第7話 人の都合と森の都合

「グラーシュに頼みたい事は・・・」


「事は?」


ぐいぐいグラーシュが近づいてくる。


香ってくるいい匂いで、クラクラしそうだ。


「グラーシュ・・・近い、近い。」


「あ、ごめんなさい。」


距離を取って冷静さを取り戻してくれたようだ。



「あのね、グラーシュは“鑑定眼”を身に付けたでしょ?」


「はい。」


「グラーシュは土属性を持っているって分かったよね?」


「はい。」


「土属性の精霊はノームって言って、悪いノームは人に取り付いて悪さすることがあるんだ。」


「この前の、朝の散歩の一件ですね。」


「そう。だから、グラーシュのする周囲の警戒は、その“悪いノーム”を対象にしてもらいたいんだけど、出来そう?」



グラーシュが辺りをキョロキョロ見始めた。


「たくさんいますね。」


「たくさん!?」


「そこら中に。」


「そんなに悪いノームに囲まれてるなんて思いもよらなんだわ。」


「あ、すいません。“悪いノーム”かはよく分からないです。ただ、ノームは沢山います。」


「そういうことか。」


悪いか悪くないかは置いといて、あのちぃっちゃいおっさんに囲まれて監視されていると思うと・・・あまりいい気分じゃないな。


「なんかこっちに干渉してきそう?」


「いえ、静観しているように見えます。」


あれ、もしかすると、俺が伐採して吸収した木にもノームが付いていた?


でも、そうだとすると、先生に怒られているか・・・。


「よし、次に移動しよう。」


・・・


・・・・・


2本目の前に到着した。


道中もノームは静観しているだけだったらしい。


「さて、2本目はこれだ。グラーシュ、この木にノーム居る?」


グラーシュが対象の木を確認した。


「居ますね。こっちの様子を見ています。」


切るよって・・・伝えれないよね。


「そのまま観察しててね。」


俺が吸収するために、幹に接触した。


「あ!」


グラーシュが声を上げた。


「どうした?」


「ノームが逃げ出しました。地面に降りる者や他の木に避難している者がいます。」


そうか、そうだよね。


そうと分かれば、気兼ねなく伐採できる。


ただ、ノームには嫌われそうだな・・・。


どうせ、管理人は俺の伐採作業を正確に把握はしない。


それなら、伐採対象は、ノームの少ない木にするか。


・・・


・・・・・


3本目の前に着いた。


随分と大きな木だ。


「グラーシュ、この木は?」


「ノームが沢山います。」


ん?


「周りの木は?」


「・・・ノームがほとんどいませんね。」


なるほど。


「そしたら、管理人さんには悪いけど、周りの木を頂いちゃおうか。」


「え?良いんですか?」


「いいんじゃないかな。多分。」


「ノームのいない木を教えて!」


グラーシュが、周囲の4本の木を指さした。


指を差された順に吸収した。


切り株が残るとバレるので、残った切株を根こそぎ吸収した。


吸収後には、4つの穴が出来てしまった。


このままにするってのは、流石にマズいよな。


「さてと・・・、力仕事ですよ。」


「え?」


「御意。」


スコップを光の粒子で3本成形して、手渡し、穴埋め作業に取り掛かる。


無事に完了したら、スコップを回収し、光の粒子に変えて自分の中にストックした。


「それで・・・周囲のノームの様子は?」


「なんだか、喜んでいる様子です。」


このデカい木は、精霊にとっては大切な存在だったんだな~。


縛られている縄だけを吸収した。




最後に管理人に申し送りしておくか。


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