第25話 自分が出来る召喚の癖
「そしたら、1つ教えて下さい。」
「なんじゃ?」
「光の粒子で、魔法使い召喚できます?」
「ん?・・・お前さんの考えている魔法使いの召喚ってどんなんじゃ?」
「そりゃあ、片手で火を、片手で氷を出して、合成して弓矢のように・・・」
「何の話じゃ?」
「すいません。火を使ったり、風を操ったりする魔法使いですかね。」
「お前さんが、それらの属性を全く持っていないのに?」
「え?」
「普通の召喚なら、召喚者の属性なんて関係ないが、お前さんの召喚は召喚者に大きく影響される。」
「何故です?」
「普通の召喚は、贄をマナに変えて、そのマナをコストに召喚するか、自分のマナをコストに、召喚する。」
「それならば、自分の属性は関係なさそうですね。マナが足りているかどうかってだけですね。」
「そうじゃ。それとは違って、お前さんの召喚は、お前さんの光の粒子で行う。」
「そうか。」
「まぁ、言うなれば、光の粒子の熟練度の範囲内でしか無理じゃ。」
「それって・・・」
「勘違いするでないぞ。召喚された者は、お前さんと同じ【白き理】は持っていない。」
「え?」
「お前さんの習得した【白き理】の中で、それっぽいことができるだけじゃ。」
おいおい、いきなり砕けたな。
それっぽいって何だ?
「もっとも、その召喚された者の固有のスキルや技術のうち、光の粒子由来でも出来そうなものは残っておる。」
アルディの鬼化?は光の粒子由来でもできるものだから、備わっていたという事か。
「お前さんが、最初に武人を召喚したのは正解じゃったな。多分何も考えずに、たまたまそうしたのじゃろうけど。」
えぇ、その通りですよ・・・。
しっかし、困ったなぁ。
そうなると、このパーティで魔法使いの増員は、召喚以外の方法を考えなければならないという事か。
きっとこれは、闇の粒子でも同様だろう。
お構いなしに召喚し続けると、グラーシュと同じ、物理でぶん殴るキャラばかりの武闘派集団になってしまう・・・。
この転生した異世界が魔法中心で回っている事から考えると、魔法使いを是非パーティに迎えたい!
・・・
・・・
「他にあるじゃろ!」
あ・・・やば、ただの質問コーナーになってた。
これだと習得して☆6~って流れじゃないよね。
・・・
「凄いシンプルでもイイですか?」
「何じゃ?」
「集めた光の粒子をものすごく集中させると、モノを発火させれます?」
「へ?」
「火起こし苦手なんで・・・」
「そんなもの、今のお前なら、有り余ってるエネルギーのストックから使えばええじゃろ!このマヌケ!」
あ・・・。
そうだった。
あのシミュレーションの・・・都心が吹き飛ぶ結果が衝撃的過ぎて、全く思いつかなかった。
「すいません。」
「もー!いー!」
おじいさんは背を向けてしまった。
「ちょっと待ってください!」