第15話 属性鑑定球との再会
すぐに店員は戻ってきた。
「お客様がお探しの物はこれでしょうか?」
店員が持っている箱の中に、トラウマになりかけた6つの球が入ってた。
「これです、これです。幾らですかね?」
「60Gとなります。契約税込みで、60Gと120,000Yになります。」
「――!?」
バカ高いやんけ!!
ふぅ・・・、落ち着け、俺。
「へぇ、ちょっと高くないですか?」
「こちらは団体様の業務用なので、普段は店内に陳列もしていませんし、一品物になりますので、値段も高くなっています。」
店員が嘘を言っているようにも見えないし・・・。
なるほど、そうなのか・・・それなら、仕方ないか。
“彼を知り己を知れば百戦危うからず”っていうからね。
随時、自分を知るために買っておきますか。
「その6球買います。」
「お買い上げありがとうございます。以上で、宜しいでしょうか。」
「はい。」
俺の返事を聞いたグラーシュが支払を始めてくれた。
俺は、支払いが済むまで店内をブラブラした。
数は少ないが、【軍】というタグが付いてる物や、銀色の縁取りがされている物がある事に気が付いた。
その両方の特徴を持っている物もある。
【軍】ってのは、王都軍で採用されている魔法という事かな?
王都軍ってのがあるのか知らないけど。
銀色の縁取りが施されている物は・・・なんだ?
「ルラン様」
振り向くとグラーシュが紙袋を掲げて見せた。
ちゃんと買えたようだ。
「ありがとう、グラーシュ。ちょっと店員さんに聞きたいことあるから、グラーシュは自由に店内見てて良いよ~。」
「はい。」
遅れて店員が近づいてきた。
「ありがとうございます。」
「いえいえ、そんなことより、ちょっとお聞きしたいことがあるのですが。」
「どういったお話でしょうか?」
「この銀色の縁取りと【軍】のタグは、どういう意味ですか?」
「あぁ、それですか。」
「まず、何の縁取りもされていない物は、“コモン魔法”、“コモンスキル”です。」
ここにはスキルの本もあったのか。
そんなことも分からずに俺は見て回っていたわけだ。
情報収集の必要性は増すばかりだ。
「銀色の縁が付いているのは、“レア魔法”、“レアスキル”です。」
「レア?・・・」
「お客様、これを習得すると、英雄か聖人になれますよ!」
「ははは、英雄に聖人ね~。」
「何か気になった物はございますか?」
お会計がスムーズで、そんなところまでチェックできるほど時間なかったでしょうよ。
「ははは。そうですね~、あ!【軍】は?」
「すいません。説明の途中でしたね。【軍】は、“対軍”という意味です。」
「対軍!?」
「そうです。」
なんか・・・、イイ!