第11話 回復薬と毒消し薬
「ポーションは、どんな種類があります?」
「ローポーション、ハイポーションの2種類です。」
「どう違うんですか?」
「すいません、ポーションの効果は人によって様々です。よく効く方から、効かない方まで居ます。」
むむっ。
「効く人と効き難い人の違いって分かります?」
「詳しい事はよくわかりませんが、老若男女などの違いというよりも、マナとの関係が大きいようです。」
「マナって、魔法を使うための“素”みたいなやつだっけ?」
頭の中のファンタジー物の知識をフル動員する・・・
が、俺、35歳のおっさんよ。
もう、ファンタジー物から離れてずいぶん経つ。
「そうです。」
・・・
嫌な予感がしてきた。
でも、試してみないとわからない。
だけど、ローポーションを試して、極わずかな効果だった場合に、その効果の確認が難しい・・・。
ここは、ハイポーション1択だな。
「ハイポーションを10本ください。」
「えー!」
「ん?在庫そこまでないですか?」
「いえ、有りますけど、20Gになります。契約税を合せると20Gと40,000Yになります。」
んー?
高いのか?
相場が分からない。
「ちなみに、ローポーションはいくらですか?」
「3,000Yです。契約税込みですと、3,600Yです。」
聞いてみたものの、分からんわ。
効果を把握して、納得して使うしかない。
念のため実験用に買っておくか。
「ハイポーション10本と、ローポーションも3本ください。」
「おっ、お買い上げありがとうございます~!」
満面の笑みを浮かべている。
なんか、ペーターの満面の笑みを思い出した・・・。
ちょっと、言い値で買いすぎたかな。
まぁ、始めからお買い物上手なんて無理だから仕方ない部分はあるよね。
ここで払った分くらいは絶対に稼ぐぞ!
「確認なんですが、ポーションは服用ですか?塗布ですか?」
満足のいく代金を払ったのだから、このくらいは面倒がらずに教えてくれるよね?
「両方いけますよ。傷が酷いならば、傷口に直接塗布でOKです。体全体の回復を図りたいのであれば服用でOKです。」
「ご説明有難うございます。」
これは使い方が分かり易くて良かった。
「あれ?もしかして、解毒薬もランクとかありますか?」
「うちで扱っているのは、この1種類だけです。この解毒剤で効果が無ければ速やかに専門医に見てもらうか、魔法で解毒する事をお勧めします。」
「専門医に見てもらうと?」
「毒に合わせたお薬がいただけますので、そちらで回復を図ってください。解毒薬の種類について詳しく知りたいという事でしたら、医者に伺うのがよろしいかと・・・。」
現代的だな。
「魔法で解毒ってのは、どんなんですか?」
「すみません、私は魔法について詳しくないので。」
「ははは、すいません。」
「確か、解毒魔法にはランクがあって、そのランク以下の毒からの回復が図れるって聞いたことがあります。」
毒は、医学か、魔法ですか・・・。
この世界は、科学と魔法が共存しているのね。