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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第3章 王都
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第5話 初説教の休憩

「良いぞ。」


「ありがとうございます。」


ゆっくり手を伸ばし、おじいさんの手に乗るフクロウのお腹を掌で触ってみる。


こ、これは・・・


猫とは違う感触のモフモフ。


これはこれで、凄くイイな。


「いいじゃろ?」


「たまりませんね。」


「うんうん。」


おじいさんも御満悦だ。


「あの時、飼うって話をしたのは正解でしたね。」


「がはは。そうじゃろ~。」


「あ、そういえば、飼い始めるときのおじいさんの提案・・・どうなりそうですか。」


「ん?なんじゃったっけ?」


「アレですよ。・・・監視員にフクロウを付けるって話。」


「あぁ、それか。多分、ダメじゃな。」


「え?・・・何でですか?」


「儂がモフれなくなるじゃん。」


・・・


思い出すな~。


会社員時代を。


なんか上司の気まぐれに振り回されて、最後には、約束守ってもらえないやつ・・・。


「あの時と状況が違うんだよ。」とか・・・。


「お前の気持ちは分かるけどな。上がなぁ。」とか・・・言われたっけ。


・・・


転生先でも、ってか、何処に行っても、そういうもんなのかね~・・・。



「なんじゃ?」


「なんでもないですよ。」


「もうモフらんでいいのか?」


「ちょっと・・・力が入っちゃいそうで。」


「そうか。じゃ、しょうがないのぉ。」


おじいさんは、モフモフに夢中だ。



・・・


「それより、このフクロウを召喚して見たらどうじゃ?」


「へ?」


「今、何処から声を出した?」


「あ、すいません・・・。どういう意味ですか?」


「その通りの意味じゃ。」


「召喚して、どうやって使うんですか!?」


「お前さんは、儂の可愛いフクロウを“使う”のか!!」


「あ、ちょ・・・何をしてもらえるのでしょうか。」


「可愛いフクロウちゃんのする事なんて、決まっとろうが。」


だめだ。モフモフに夢中で、雑になってる。



思い出すな~。


会社員時代を。


ろくに教えて貰えないことが多かったもんな~。


これ、ほとんどの場合、とりあえずやってみると、「勝手なことやって!」って怒られるまでがセットなんだよね~。


そう分かっていれば、メンタルへのダメージもそんなに大きくないんだよね。


それを上回る学びを得ればOK・・・そこまでやって、“フルコース”ってね。



ふと先生を見ると、お楽しみ・・・じゃなくて、気分転換は終わったようだ。


「おじいさん、そろそろ休憩時間、終わりみたいですよ。」


「えーっ!」


はぁ。


この調子だと、確かに四六時中フクロウに監視してもらうってのは、出来る訳ないわな。


“フルコース”を1つ頂くとしますかね~。


「クソジジイ、いつまで遊んでんのよ!始めるわよ!」


先生もやる気満々だ。


「だそうですよ。」


「儂はまだ・・・」


空気を読んだフクロウは飛び立ってしまった。


あのフクロウ、分かってるじゃん。


これは、召喚が楽しみだ。


「もうちょっとモフりたかったのに・・・。仕方ないのう。」


おじいさんも切り替えてくれたようだ。




さて、後半戦行きますか。

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