第2話 王都に入って初説教
「なーんで、グラーシュおいて独りで寝るんじゃ!」
おじいさんからからのツッコミから始まった・・・。
なんか既視感があるなぁ。
「これからが楽しいトコじゃないか!いや、楽しい床じゃないか!」
「エロジジイ!」
先生のツッコミが入った。
「クソの次は、エロ・・・。」
「何よ、その通りでしょ」
「エロの方が・・・良い!」
ダメだ、こりゃ。
「ところで、おマヌケさん。」
先生がこちらに向き直して、話しかけてきた。
いきなりマヌケ呼ばわりされて・・・嫌な予感しかしない。
「ははは・・・なんでしょう。」
「あなた、これからどうするの?」
「とりあえず、王都の中心に行って・・・」
「行って?」
・・・
「どうしましょ・・・。」
「はぁ。」
「いや、やりたいことはあるんです!」
「何?」
「情報収集と、生計を立てる事。」
「情報収集の方法は?」
「図書館やこの格好でも行ける教育機関に行ってみようと思います。」
「ふーん・・・。生計の方は?」
「冒険者ギルドや傭兵ギルドで、魔物退治とか無いですかね。」
「さぁ、有るんじゃない。」
「ははは。」
「どうやって退治するの?」
「か○は○波とか、霊○・・・じゃなくて、ゲートからエネルギーを放出して攻撃できるんですよね、念じるだけで。」
「できるわよ。」
「良かった。」
「でもそれ、試してもいないでしょ。」
「はい・・・。」
「にもかかわらず、王都に入っちゃって・・・、やっぱりマヌケね。」
「すみません・・・面目ないです。」
「がはは、今に始まった事じゃないんだし、そんなにいじめるでないわ!」
おじいさんも加わってきた。
「また、ここでシミュレーションしてみれば済むことじゃろ!」
ナイス―!その手があった。
「先生、お願いします!」
すかさずお願いした。
「仕方ないわね。」
先生の返事と共に、いつもの白と黒の世界が、王都周辺の景色に変わった。
「試してみなさい。」
カムフラージュを忘れずに、仰々しく、両手を大きく広げて・・・
「そういうの良いから、早く試しなさい!」
「あ・・・すいません。」
100mくらい先に「ここより先、王都」の看板が見えた。
「ちょうどいいから、あれ狙いますね。」
右手人差し指で看板を差して・・・。
「発射!」
指の先にゲートが開き、エネルギーが放出された。
その直後、光で視界が奪われた。
すぐに視界が戻るが、目の前のあらゆるものが消し飛んでいる。
看板なんて跡形もない。
「魔物退治の依頼を受けたあなたは、これをするつもりだったの?」
「いやー、そうではないです。」
「・・・」
「気楽に使えないのよ。あなたの持っている力は。」
「はい。」
「威力だけじゃないわ。そもそもノーモーションで、これよ。誰も理解しないわ。」
「はい。」
「何が必要か分かる?」
「加減とカムフラージュ・・・」
「そうじゃな。」
「もう1回試してもいいですか?」
「いくらでも、試していいわよ。」
先生の返事の直後に、さっきと同じ景色に変わった。