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転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第2章 王都への道
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第35話 心配の理由

「話さなきゃダメかのう?」


「話してください!」


「バカにしない?」


なんだか雲行きが怪しくなってきたぞ。


大丈夫か・・・。


「・・・しないです。」


「・・・死因は、・・・わからんのじゃ。」


「えー!」


「でも、多分、お前さんは大丈夫じゃ。」


「え?」


「実はな。・・・ここだけの話なんじゃが・・・」


「はい。」


「他の者は多分ダメじゃろうなって思ってた!」


「ぷっ・・・失礼しました」


「いいんじゃ。」


ってか、なんで俺が謝ってるんだ!


「説得力無いですけど・・・。何故、俺は大丈夫なんですか?」


「お前さんは、いい意味で、儂好みの“マヌケ”だからじゃ。」


「答えになってないわ!」


「落ち着くのじゃ。今までの者は、みんな真面目で、ちゃんとしてたんじゃ。」


「フォローになってないわ!」


「すまん・・・。」


おじいさんはふさぎ込んでしまった。



「まだよくわかってないのは、本当のことよ。」


頼りないおじいさんを見るに見かねて、先生が入ってきた。


「分かりました・・・。おじいさん、カッとなって、ごめんなさい。」


“メメント・モリ”って事ですね。毎日大切に生きますよ。


・・・


ん-、まだ何か引っかかるんだよな~。


新しい体の手に入れ方と、闇の粒子の集め方は、何度もはぐらかされた。


もしかして、俺は、まだ“はぐらかし”に遭っている?


考えても分からないし、無理に白状させるのも、好きじゃない・・・。


だったら、切り替えて、この機会を有意義に活用しよう。



「話題を変えていいですか?」


「いいわよ。」


「ラゴイルの体なんですけど・・・」


「あぁ、これね。」

目の前に、横たわったラゴイルの体が現れた。


「木箱で梱包して輸送しようと思ってます。」


「そうね。」


ん?


なんか、先生が腑に落ちない様子だ。


「このまま箱に入れるの?」


「はい・・・ダメですか」


「ダメじゃないけど・・・やっぱりあなた、マヌケね。」


「え・・・?」


「到着まで何日かかるの?」


「あー!」

このまま送ったら、到着のころには、腐り始めたラゴイルの体をレーゼン侯爵に届けることになる。


仮に、レーゼン侯爵がラゴイルを探していたとすると・・・


いや、間違いなく探しているだろ。


実の息子で跡取り予定だったんだから。


その探していた自分の息子が、腐った躯の状態で届いたら・・・。


やばい。


マジで俺、マヌケだ。


全く考えてなかった・・・


「銀貨の事は覚えてるかしら?」


「はい。」


「それなら、今回は特別よ。」


次の瞬間、ラゴイルの体が凍り付いた。


「これでどう?」


「おぉぉ。ありがとうございます。」


これなら腐敗せずに到着できるかもしれない。


そのまま、ラゴイルの体の梱包作業に移った。


まずは、ストックしている木材を利用して箱をイメージした。


続いて、目の前に箱が現れたら、その中に収める“ラゴイルの体の木型”をイメージした。


ん・・・?


もしかして、先生はラゴイルの体から限界まで熱エネルギーを吸収したんじゃないか?


物は試しに、ラゴイルの木型から限界まで熱エネルギーを吸収するイメージをしてみた。


ラゴイルの体同様に、木型が完全に凍り付いた。


これで保冷剤と断熱材の両方を兼ね備えてくれる・・・かな。


「あなた、たまに察しが良いわね。」


「ははは・・・。」


凍り付いた木型にラゴイルの体を嵌めて、箱に納めて木材で蓋をした。


「いいじゃない。これで送れば、到着まで腐敗は始まらないじゃないかしら。」


「よし!ありがとうございまーす。」

あとは輸送業者に引き渡すだけだ。


「それにしても、ホント、グラーシュはイイ子よね~」


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