表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生しても”はぐれもの”  作者: C-HAWK
第2章 王都への道
107/475

第30話 袋の中身と俺の体

「その袋は何?」


「普段財布に入れてない分のおカネです。」



流石、グラーシュ!分けて使っていたのね。


「見せて、見せて!」



謎の袋の中身をのぞかせてもらった。


ビックリした。


金貨だらけだ。


数えきれないほど入っている。


漫画やアニメで出てくる海賊の財宝袋の中身みたいだ。



「ちょっと持たせてもらっていい?」


「どうぞ。」


持った瞬間、不意の重さに肩が抜けるかと思った。


そうだった・・・。


金は見た目の量以上にはるかに重いんだった。


グラーシュは、細身の10頭身の女性だから、ついつい忘れがちだけど、筋力は凄いんだった。



仲居が近くにいるってから、流石に広げて数えるわけにはいかない。


しかし、とんでもない大金を持ち歩いていたのだと知って、ゾっとした。


「グラーシュ、ごめん。今まで重責を押し付けていたんだね。」


「大丈夫ですよ。」



「ん-、はんぶんこしよ。俺が半分持つよ。何も無いようにするけど、何かあった時に半分は残るからさ。」


全部預かったのでは、グラーシュも信頼を失ったのではないかと不安に思ってしまう。


現に、グラーシュがお財布係で非常に助かっている。


俺は、ただ、グラーシュにばかり“重いもの”を持ち歩かせたくなかっただけ。


物理的にも、責任的にも。


俺が収納すれば重さは感じないわけだし、窃盗もされないからね。



「どうかな?」


「はい。」


グラーシュは快諾してくれた。


使っていない袋に、袋に入っていた金貨を分けて、俺が預かり、左手から即収納した。


小さくなった袋と財布はグラーシュが自分の荷物に片づけていた。


・・・


風呂の焚き上がりが待ち遠しい。


ちょっと様子を見てみるか。


焚口に回ってみると仲居さんが懸命に焚いている最中だった。


「もう少しで入れると思いますので、お待ちください。」


「はーい。」


風呂場をのぞいてみると、姿見があった。


そういえば、自分の体を確認していなかった。


ラゴイルの体から変えることを最優先にしていたから、すっかり忘れていた。


新しい体は、全く違和感が無かったから、確認する気も起きなかった。


いい機会だから確認しよう。


姿見の前に立ってみた。


顔は生前の自分の顔だった。


ただ、35歳のおっさんの顔ではなく、一番シュッとして生気に溢れていた高校時代の自分の顔だった。


これは期待ができる!


作務衣の上と下を勢いよく脱いでみた。


体も高校時代のスリムマッチョ体形だった。


多分、175cm、68kgのころだな。


一番運動ができた体重だったから、覚えといて、体重を調整したもんだ。


あとは・・・。


アソコだ!


下着を恐る恐る脱いでみた。


こ、これは!


俺のだ―!



ラゴイルのそれを見た時は、別人になった事を素直に受け入れた。


ここが違うんじゃしょうがない!って。


不思議と、そうするしかないと思ったからだ。



だが、今は違う。


極めて自然に、まさに俺の体だと確信できた。



それと同時に、ラゴイルのを見慣れているグラーシュに、これを見られている事を思い出し、急に恥ずかしくなってきた。


・・・


あれは事故だ・・・。


見せたくて見せた訳でもないし・・・。


見えてたとわかっていたら、すぐに隠したし・・・。


・・・


忘れよう。


過ぎた事だ。


考えていてもしょうがない。



もうすぐ久しぶりの風呂だ。


汚れと一緒に洗い流そう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ